やっと秋の訪れを感じる9月下旬。夫と義母のシニア世代3人で暮らす整理収納アドバイザーの原田さよさん(現在60代)は、季節の変わり目を「心を整理するよいタイミング」だと言います。ここでは、原田さんがいま手放してよかったこと、そして手放したことで得られた新しい楽しみについて教えてくれました。
すべての画像を見る(全5枚)60代、夏に手放した3つのこと
私の住む奈良は、盆地であるせいか夏は暑く冬は寒いです。9月下旬になっても日中はまだ暑く、エアコンもつけっぱなしのことが多い状態。それでも夜になれば、コオロギの鳴き声がどこかから聞こえてきて、少しずつ秋が始まっているのを感じます。
こういうときは、ものの整理だけでなく、季節の変わり目に振り返りたいことと、これからしていきたいことを考える「心の棚卸し」をするのにもちょうどいいタイミングだと思います。
そんな私が、夏に手放したのは以下の3つです。
●1:季節の変わり目にやる家事
毎シーズンの終わりにしていた、着古したTシャツでする家じゅうのワックスがけをやめました。また、網戸を外して洗うことも、寒くなる前にできればいいと思ったのでやめました。
●2:楽しみにしていたイベントへの参加
体力や気力が落ちてきて、毎年楽しみにして通っていたクラシックコンサートへ行くのを諦めました。皆さんにも、もしかしたらやめた趣味があるのではないでしょうか。
●3:無理に人をもてなすこと
また、この夏のことで言えば、子どもや孫が遊びに来ても無理をしてもてなさなくなりました。年々簡素化しているのです。はじめは、できなくなってきたことへの罪悪感や申しわけなさ、情けなさがあったのですが、だんだんそれにも慣れてきました。
自分の体調や気持ちの変化に合わせて少しずつ手放してみたら、心も身体もラクになったのです。もちろん一気にやめなくていいと思っているし、はじめはそんな自分をさみしく感じることもありました。でも今では「今年の私はこうだったのね」と受けとめられるようになっています。
手放したぶん、ほかの楽しみを増やしてみた
手放したら、その分時間と気持ちに余裕が生まれ、久しぶりに寒天のおやつづくりにはまりました。簡単で、カロリーも低く、口当たりも優しいため、今では義母と3人暮らしのわが家にぴったりのおやつになっています。
また、それをつくったり固まるまで待ったりする時間が、静かな癒やしとなり、心の整理にもつながりました。寒天のおやつづくりは、中身をほかのものに変えるなどして、秋以降も続けていくつもりです。