夏も終わりに近づいてきた昨今。徐々に朝晩の気温差が激しくなり、湿度や台風の発生で気圧の変化も大きくなることで、「疲れがとれない」「食欲がない」「寝てもスッキリしない」「気分が晴れない」といった症状が続く場合は、「秋バテ」の可能性も。今回、済生会横浜市東部病院 患者支援センター長の医師 である谷口英喜先生に、秋バテの症状や対策、予防策を教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)3つ以上当てはまったら要注意!「秋バテ」チェックリスト
まずは秋バテになっていないか、次のリストでセルフチェックしてみましょう。
3つ以上当てはまる方は、秋バテの可能性が高いかもしれません。
・空腹感、または食欲が少なくなった
・快便感がない、または下痢・便秘をくり返す
・寝入りが悪い、または睡眠途中で何度か起きる
・朝起きたときでも疲れが取りきれていない
・電車やバスなどで、すぐにでも座りたいと思う
・物事に集中できていないと感じる
・新しいことに対してやる気が起きない
・栄養ドリンクやサプリをとる機会が増えた
・日が短くなってさびしく感じることが多い
・天気の変わり目や台風が来るタイミングで、体調不良を起こす
秋バテの症状と原因
秋バテとは、病気ではなく、はっきりした原因が見つからないまま、倦怠感や食欲不振、睡眠の質の低下、精神的落ち込みなどの不調が続く“未病”のひとつです。
とくに、猛暑では身体が暑さに対応するために体力を多く消耗しますが、体力が回復しきらないまま気温が下がると、寒暖差や日照時間の変化によって、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
この自律神経の乱れを受け、体温調節や内臓の働き、睡眠・ホルモン分泌などにより、疲労感や頭重感、気分の落ちこみといったさまざまな不調を引き起こします。
また、秋口は夏場に冷たい飲食をとりすぎたり、就眠中におなかが冷えたりして消化機能が低下しやすく、食欲不振や栄養吸収の効率低下にもつながる結果、エネルギー代謝がうまくまわらなくなることで、さらに「疲れが取れない」状態が続いてしまうのです。