SNSの投稿、仕事のメール、ちょっとした日記…。文章を書く機会は、想像以上に身近なものです。どうせなら、もっと伝わる文章が書けたら…そう思ったことはありませんか? 今回は、書籍『書く仕事がしたい』『本を出したい』の著者でライティングゼミを主宰する佐藤友美(さとゆみ)さんに、「書く力をつけるメリット」や「文章力を上げる2つのコツ」、AI時代に「人間にしか書けない言葉」の見つけ方を伺いました。
すべての画像を見る(全2枚)文章が書けると「人生がもう1つ増える」
さとゆみさんの著書『書く仕事がしたい』は、ライターを目指す人だけでなく、書くことに興味がある多くの人にとって学びの多い一冊です。書くことを仕事にしていなくても、文章が書けるようになると、どんないいことがあるのでしょうか。
「書くことで人の心を動かせられれば、たくさんのことができるんです。たとえば、プロのライターが文章でお手伝いできることは、集客や営業、ブランディング、信頼感の醸成など、いろいろあります。でも、私がいちばんすごいと思っているのは、書くことによって自分自身を発見できること。多くの方は『考えてから書く』と思っていますが、じつは逆で、『書くから考えられる』んです」(さとゆみさん、以下同)
書くことで「私、こんなことを考えていたんだ」と、自分でも知らなかった考えや気づきに出合うことがあるのだとか。
「これって、ただ生きているだけでは気づけなかった、もう1つの自分の人生を発見するようなもの。自分は1人しかいないけれど、文章を書くことで人生が増えるような感覚です。これが書くことの最大の醍醐味だと思っています」
うまい文章の第一歩は、「文章のゴール」を意識すること
いざ文章を書くとなると、「うまく書けるか不安」「なにから書けばいいかわからない」と、苦手意識を持つ人も少なくありません。そんな方に向けて、すぐに実践できるアドバイスを教えてもらいました。
「すべての文章には必ずゴールがあるはずです。たとえば、LINEで『今日牛乳買ってきて』と送るなら、ゴールは『牛乳を買ってきてもらうこと』ですよね。文章を読んだ人の行動や考え、気持ちにどんな変化を起こしたいのか。文章がなかったときとあったときで、生まれる差分が大事なんです」
だから、文章を書くときは必ず「今回のゴールはなんだろう?」と意識することが大切なのだそう。
「上司に送るメールひとつとっても、ゴールは全部違うはずです。このメールで返事がほしいのか、判断が求めたいのか、それともただ読んでもらいたいのか。ゴールをはっきりさせるだけで、文章は格段にわかりやすくなりますよ」
