だれかと一緒に行く旅行は、楽しいことも多い一方、価値観の違いから衝突が起こる可能性もありますよね。「昼間ずっと一緒に観光するからこそ、ホテルにはひとりで泊まり、心身を休ませます」と語るのは、現在60代の著述家、中道あんさん。今回は、中道さんが友人と行くポルトガル旅行で実践したという、楽しく過ごす大人旅のコツについて、教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)友人との旅もあえて個人旅行スタイルで
下は45歳から上は66歳までの女性5人で、ポルトガル旅行に行くことになりました。今回の旅は、旅行会社のツアーに参加せず、「都合が合えば一緒に行動しましょう!」という、基本的には個人行動スタイルをとることに。
だれかと旅をするというのは楽しいものですが、相手を好きになるか、嫌いになるかの別れ道でもあると思うのです。
普段一緒に行動するといっても、たかが数時間のこと。それくらいなら、相手のことを思いやれたり、遠慮したり、優先したり、少しのわがままだって大目に見ることができます。
でも、旅行となると24時間どころか1週間でも、今回のような2週間でも、一緒にいることに。そうすると、さまざまな場面で「あれ?」って思うことだって出てきますよね。
ずっと一緒だからこそ、ひとりの時間を大切にする
なので、できることは各自でするのが基本です。
たとえば、飛行機やホテルの予約の取り方。私は、特典航空券でエアチケットをゲットしましたが、ネットで航空券を取った人もいれば、チケットやホテルの予約まで代行してもらう人も。それぞれが自分のできる方法で現地集合! という旅のスタイルです。同じ便でいく友人とは席も別々。お互いに好きな座席を指定したらそうなりました。
ホテルも今回、飛行機の乗り継ぎ期間も含めて13日間という長旅だったので、ひとりで泊まることに。マリオット系列のホテルでポイント宿泊。3泊分だけ自腹です。
いくら仲がよくても、同じ部屋に泊まるとなるとお互いに気をつかってしまうもの。イビキが気になったり、どちらが先にお風呂に入るとか、数えたらキリがないほどいろいろとあります。
昼間は一緒に観光して、夜はひとり静かにリラックスタイム。ここで、心身ともに休ませる時間をたくさん使うことにしました。
観光プランは各自で考えてシェア
はじめに5人でグループラインをつくりました。旅の目的をすり合わせるのは、友人といい関係性を壊さないための大切な準備です。
「とにかく観光地をたくさん巡りたい人」「現地のカフェでのんびりしたい人」など、旅の目的は異なります。自分が行きたいところ、オススメしたいこと、食べたいものなどをシェアして、参加者を募る形でプランをつくっていきます。
こうしておけば、お互いの価値観を共有でき、不必要な対立を避けられます。
友人のひとりはツアーコンダクターなので、現地に住む同業者に頼んで特別なプランを立ててもらっていました。もちろん、そんなプレミアムなツアーはどこを探してもないので、全員が大喜びで参加。事前に、「ポルトガルってこんなところ」というオンライン説明会を開催してもらえて、ワクワクした気持ちがふくれ上がりました。
私は食いしん坊なので、レストランを探してみんなにシェア。全員参加のウエルカムディナーを楽しめそうです。
こうして、各々が出したプランに乗る人、乗らない人がいて、メインの観光が決まりました。誘いを受けた時点で、自分の旅行の目的や価値観と合わないと感じたら、無理に参加しないというのは、旅先でのストレスを和らげたり、時間とお金を有効に活用できたり、人間関係にも摩擦が起きにくいメリットがあります。