77歳、将来の不安より今楽しむことを

手づくり人形とデスク
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巷(ちまた)では人生の終い方を指南する本があふれています。70代や80代はもちろん、50代まで! 信田さんは、終活についてどう考えているのでしょうか。

「人生100年時代と言われていますが、70歳過ぎればわかっているのは、いつか死ぬってことだけ。終い方に心を砕くより、日々を悔いなく生きるほうが先ですよ。お金持ちには、別の苦労もあるでしょうけど」

もともとものをつくることが好きだった信田さん。40代の頃たまたまつくった人形が友人のギャラリーオーナーの目にとまり、請われるままに個展を開いたら大盛況。

69歳で仕事を辞めて、今度は洋服をつくったら、これまた好評。どちらも売れることは二の次。好きで一生懸命つくった結果、それを応援してくれる人が現れたのです。

「今の積み重ねが将来につながっていくので、今を楽しもうと考えています。将来への不安から老後のプランを持つのもいいですが、それを気にしていたら今を楽しめません。不安の先には不安しか生まれませんが、楽しみの先には次の人生が拓(ひら)けます」

「私の死ですか? この家でこの空気を感じながら死ねたら、それで十分。先のことなんて、だれにもわからないもの。わからないことについては私、考えない主義なんです」

信田さんらしい言葉が、返ってきました。

77歳 365日の紡ぎ方: 益子暮らし、元カフェ店主 信田良枝さんの居場所』では、今回ご紹介した考えに至る前、人間関係や結婚生活に悩んでいたという信田さんが60代の頃のお話も紹介されています。

77歳 365日の紡ぎ方: 益子暮らし、元カフェ店主 信田良枝さんの居場所

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