木曜夜10時に放送中の『愛の、がっこう。』。主演の木村文乃さんが演じるのは、まっすぐすぎる高校教師・小川愛実。ここでは、ドラマの見どころや演技についてお聞きしました。

木村文乃
木村文乃さん

息苦しいほど切ないラブストーリー:木村文乃さんインタビュー

木村文乃さん演じる、まっすぐすぎる高校教師・小川愛実(まなみ)、ラウールさん演じる、読み書きが苦手なホスト・カヲルが織りなす、息苦しいほど切ないラブストーリー『愛の、がっこう。』。人間描写の名手である井上由美子さんが脚本を手がける、純粋な禁断の愛の物語が、視聴者から熱い視線を集めています。

教師として、カヲルへの気持ちを律しようと努めながら、古い価値観をもつ親のいいなりに生きてきた自分からの脱却を決意し、背筋を伸ばして進もうとする愛実。その苦悩と葛藤を、木村さんが見事に体現しています。

「愛実は人生を遠回りしている人という印象です。大半の人が正しいと言う選択肢を選んで生きてきて、言うなれば、整備された道を歩いている。でも、たとえば、小学校からの帰り道で家への近道を探すには、やぶの中をくぐったり、塀を乗り越えたりして近道を見つける必要があります。じつは愛美も、いつもと違う景色が見られる近道に憧れていて、だからこそ、普通の価値観にとらわれないカヲルの奔放さに惹かれたのだと思います。私の周りにはいないタイプなので、ずっと愛実を知る旅をしているみたいな感覚です」

演じているうちに気付いた、恋と愛の違い

愛実とカヲルは、読み書きを教える秘密の個人授業を続けるなかで、次第に距離を縮めます。言葉にはしなくてもお互いの本心を感じとり、同じように孤独や生きにくさを抱えていることを知っていくからです。

「読み書きを教えることが、恋愛要素の1つだと捉えられがちですが、愛実はただ、カヲルのためを思ってやっているだけ。『鷹森大雅(たかもりたいが)』という自分の本名さえ漢字で書けないカヲルが、読み書きを覚えて1人で歩いていけるようになったらいいなと思ったことが出発点です。演じているうちに、そこが恋と愛の違いなのかもしれないと思うようになりました」