「自分はダメな人間だと思う」「失敗やミスを過剰に恐れてしまう」「常に他人からの評価が気になる」と悩んでいる場合、もしかしたら自己肯定感が低いのかもしれません。書籍『シリコンバレー式世界一の子育て』の著者であり、アメリカのシリコンバレーで保育を学び、幼稚園を設立するなどして、20年以上暮らしてきた中内玲子さんによると「日本人はアメリカ人と比べて、自己肯定感が低いことを肌で感じてきた」といいます。今回、自己肯定感が低く、日々生きづらさを感じている人たちに向けて、自己肯定感を上げるのが楽しくなる方法を教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)日本人とアメリカ人との自己肯定感の違い
日本とアメリカの自己肯定感の違いは、内閣府の国際比較調査(※)にも顕著に表れています。たとえば「自分自身に満足しているか」「自分には長所があるか」という質問に「はい」と答える日本の若者の割合は、アメリカに比べて著しく低いのです。
この自己評価の低さの背景には、常に他者と自分を比べる価値観や、「謙遜」を美徳とする文化があると感じます。たとえば、会議での発言やほめられたときの反応が象徴的です。
アメリカでは自分の意見をはっきりと述べ、ほめられた際も「ありがとう!」と素直に受け取るのに対し、日本では和を重んじ、「いえいえ、私なんて」と一歩引いた姿勢を取ることが多いです。
この日々の小さな習慣の違いが、自己肯定感のあり方そのものを大きく左右していると感じています。
自己肯定感の低さがもたらすデメリット
自己肯定感が低いことで、次のデメリットが生じます。
●1:「他人軸」になり、自分の意思で決断できなくなる
自分に自信がもてないと、常に「他者からの評価」や「世間の正解」を気にしてしまい、自分の心の声にしたがって決断することが難しくなります。
子育ての選択から夫婦間の会話、仕事の進め方まで、「私がどうしたいか」ではなく「どうすべきか」が基準になりがちです。その結果、なにを選んでも心からの満足感が得られず、精神的に疲れてしまいます。
●2:「NO」と言えず、自分を犠牲にしてしまう
自分に価値があると思えないと、「だれかの役に立つこと」でしか自分の存在意義を見出せなくなりがちです。その結果、パートナーからの無理な要求、職場の雑務、友人からの頼みごとなどを断れず、すべてをひとりで抱えこんでしまいます。
家事も仕事も育児も「完璧にこなさなければ」と自分を追いつめ、気づいたときには心身ともに燃えつきてしまう危険性があります。
●3:親の不安が子どもに伝わり、挑戦する意欲を削いでしまう
お子さんがいる場合、親が自分自身を肯定できていないと、その不安は「この子はこのままで大丈夫だろうか」という形で子どもに向けられてしまうことがあります。
子どものありのままの姿を信じきれず、ついほかの子と比較したり、先まわりして口や手を出したりしがちです。その結果、子どもは「自分は信じられていない」と感じ、失敗を恐れて新しいことへの挑戦をためらうようになってしまうことがあります。