自己肯定感が低いことは見方を変えれば「強み」に
すべての画像を見る(全4枚)一方で、視点を変えれば、自己肯定感が低いことは強みにもなります。
●強み1:相手に寄りそう「聞く力」で、深い信頼関係を築ける
「私が、私が」という自己主張が控えめな分、相手の話をさえぎらず、丁寧に耳を傾けることができます。その謙虚で誠実な姿勢は、周囲に「この人になら安心して話せる」という印象を与えるでしょう。
たとえば、お子さんの言葉を評価せずに受け止めることで「この人にはなにを話しても大丈夫」という、絶対的な安心感をはぐくむことができます。この姿勢は、夫や友人、同僚との信頼関係を育んでくれるでしょう。
●強み2:責任感が強く、仕事や家事が丁寧で信頼される
「失敗したらどうしよう」という気持ちは、裏を返せば「物事を完璧にやりとげたい」という強い責任感の表れです。その慎重さから、仕事や家事においても細部まで手を抜かず、丁寧で質の高い結果を出します。
時間はかかるかもしれませんが、その堅実な姿勢は「あなたにまかせれば安心」というたしかな信頼につながり、職場や家庭において、頼りにされる存在として評価されるでしょう。
●強み3:人の痛みがわかり、心からの共感を示すことができる
自分自身が自信のなさや欠点に悩んだ経験があるからこそ、他人の弱さや痛みに深く共感することができます。
たとえば、お子さんが失敗して落ちこんでいるとき、その気持ちを頭ごなしに否定せず、「そうだよね、辛いよね」と心から寄りそうことができるでしょう。
その深い共感力は、相手に「自分はひとりではない」という大きな安心感を与え、温かな信頼関係を育んでくれるでしょう。
自己肯定感を上げる「ささやかな習慣」
自己肯定感を上げることは、今の自分を否定し、別人になることではありません。むしろよいときも、そうでないときも、どんな自分も丸ごと受け入れることが大切です。
その第一歩として、日常に隠れている「悦(よろこ)び」に気づく習慣をもつことをおすすめします。
私自身、かつては自分の「できないこと」ばかりに目を向けてしまう次男に悩んだことがありました。そこで始めたのが、夜寝る前に「今日あったよいこと」を3つだけ一緒に探す、というささやかな習慣です。
初めはなかなか見つけられなかった息子も、続けるうちに「おやつがおいしかった」「お友達と笑った」など、日常の小さな悦びを自分の力で見つけられるようになり、表情が驚くほど明るくなっていきました。
これは大人も同じです。まずは一日ひとつ、「今日のよかったこと」を見つけることから始めてみてください。
私たちの脳は、意識を向けたものを探す性質があります。この「うれしいこと探し」を続けることで、不足ではなく「満ちたりていること」に気づく心のセンサーが育ち、自己肯定感の温かな土台となってくれるはずです。
他人と比べる必要はありません。ご自身の心地よさを大切に、あなたのペースで最初の一歩を踏み出してみませんか。
※ 「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(令和5年度)https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/d0d674d3-bf0a-4552-847c-e9af2c596d4e/3b48b9f7/20240620_policies_kodomo-research_02.pdf