睡眠のときに気をつけることは?

あおむけで寝る女性
※画像はイメージです。(画像素材:PIXTA)
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睡眠中は眼圧が高くなります。枕の高さなどに気をつけましょう。睡眠時無呼吸症候群にも注意!

●ベストな睡眠時間は「7~9時間」

睡眠は、心身が受けた疲労やダメージを回復させるためにとても重要です。寝不足は、その回復時間が短くなり、目にも悪影響を与えます。

また、長時間寝過ぎる習慣も、緑内障にはマイナスの影響があります。その理由は、睡眠中は必ず眼圧が高くなるからです。

枕が高くなるのに注意

寝ると頭と身体が水平になるため、起きているときよりも水分が頭に多く流れ込み、眼圧が高くなるのです。通常よりも2~4mmHg程度、眼圧が上がるとされています。

つまり、睡眠時間が長すぎるとその分眼圧の高い時間が続いて、視神経がダメージを受けやすいわけです。とはいえ寝不足もマイナスですから、睡眠時間は7~9時間がベストということになります。

●枕の高さを少し高くすることで眼圧上昇を予防

枕の高さを変える
首の角度が30°になる枕を推奨する向きもありますが、15°程度のほうが寝やすく、眼圧の上昇も十分に抑えられる

また、睡眠時の眼圧上昇は、寝る姿勢や寝方によって予防・軽減することができます。

まず、枕は15°程度の傾斜で頭が高くなるものを使用することで眼圧の上昇を防げます。緑内障の研究報告のなかでは、30°の枕を推奨するものもありますが、寝にくいと思います。

うつぶせ寝は眼圧が上がります。また、目が枕で押されて圧迫され、さらに眼圧が上がるリスクもあります。基本的にはあおむけ寝がよいでしょう。視野欠損の進行に左右差がある人は、視野が悪いほうの目を上にして寝ることで進行を抑制することができます。

また、緑内障に限ったことではありませんが、睡眠時無呼吸症候群は要注意です。睡眠中に何度も呼吸が止まり、または浅くなって体が低酸素状態におちいることで、緑内障にも悪影響をおよぼします。専門医を受診して適切な治療を受けてください。

眼圧を下げるには? 失明を避けるには? 緑内障について平松類先生に聞いてみた』(Gakken刊)では、緑内障に関する不安や悩みについて、平松先生が詳しく答えてくれています。

眼圧を下げるには? 失明を避けるには? 緑内障について平松類先生に聞いてみた

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