自分ひとりがすっきり暮らしたくても、家族がものをため込みがちだったら…? そんな疑問に対し、「家族がいてもミニマリストを続けられます」と語るのは、35平米の小さなマンションで夫婦ふたりで暮らす村上はなさん(31歳)。家族の価値観を大切にしながらものを見直した結果、居心地のいい家になったそうです。ここでは、村上さんに「家族でミニマリズムを続けるコツ」を教えてもらいました。

スッキリしたリビング
狭いながらも、ミニマリズムを取り入れたことでスッキリとしたリビング
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1:家族と「理想の暮らし」を共有しておく

美術作品のある部屋
私も夫も美術鑑賞が好きで、作家さんの作品を飾ってアートを楽しんでいます

ものを減らしていくには、家族の協力が必要な場面が多々あります。

私たち夫婦は「35平米の小さな家でも広々と暮らすため」と目的を共有し、ミニマリストを目指しました。次第に、掃除をラクにしたい! 効率よく料理したい! といった、理想の暮らしを一緒に考えるようになりました。ただものを減らすだけではなく、具体的なアクションを話し合うことでお互いの意識が変わり、暮らしが好転していきました。

たとえ意見が衝突したとしても、目的を共有しておけば、無理に手放さずにすむ場面も出てきます。

目的を見つけるまでの過程は、仕事のようで少しおっくうに感じてしまうかもしれませんが、家族の絆を深めるきっかけになったと感じています。

2:家族がお互いに大切にしているものを尊重する

コーヒーの道具
夫が趣味で集めているコーヒーの道具。棚に収まるよう、工夫して収納しています

お互いにミニマリストを目指していても、価値観は人それぞれです。

私はデザイナーということもあり、チラシや空箱を収集しています。夫はコーヒーとキャンプが趣味で、集めた道具を大切にしています。

お互いが大切にしているものに対して、「これ捨てたら?」は禁句です。自分にとっては“もの”でしかないかもしれませんが、所有者にとっては宝物かもしれません。そして、その逆も然りです。

無理に自分の価値観を押しつけるのではなく、お互いの大切なものを尊重しながら、家族と一緒にミニマリズムを楽しむことが、最大のコツだと感じています。

3:各自の収納スペースをつくる

二つの収納ボックス
洗面所にあるアメニティ入れ。左が夫、右が私専用の収納ボックス

わが家は1LDKなので、自分の部屋がありません。その代わり、エリアごとに各々の収納スペースを決めています。

たとえば、洗面所は細々としたものが多いことから、収納ボックスを一人ひとつずつ置いています。共用以外のものは出しっ放しにせず、基本的に収納ボックスの中にしまいます。そのほか、下駄箱も同じようにスペースが割り当てられています。いわば、会社のロッカーのような形式をとっていて、自分の収納場所に収まればしまい方は自由です。

こうすることで、責任を持って自分のものを片付けられるように。家族も与えられたスペースの中で大切なものを残そうと、定期的にものを見直すクセがつきます。