更年期と自律神経の乱れの関係
すべての画像を見る(全3枚)おぐら:更年期より前の世代で、不調の原因がホルモンバランスではなく、自律神経という方もいますか?
高尾:はい。生理は順調だけど更年期みたいな不調を感じる方を、世間では「プレ更年期」と呼んだりします。これは医学用語ではありません。ホルモンは関係なくて、自律神経の働きがいまいちな状態で、そのせいでなんとなく調子が悪いと感じる。30代~40代前半の女性に多いですね。
おぐら:生理不順だった私の場合は、自律神経は関係ない?
高尾:いいえ、ホルモンと自律神経というのは同じ視床下部という脳の部分がコントロールしているので、お互いに影響を及ぼし合うんです。ホルモンの変動が自律神経の不調を引き起こすというのは確かなことで、女性だとまさにゆらぎの時期(更年期)に汗やほてりや動悸が起きるんですね。
おぐら:なるほど。では、生活のなかで自律神経を整えるセルフケアを取り入れれば、更年期の症状が緩和されることもあるのでしょうか。
高尾:ええ、ものすごく(笑)。まずは運動や食事、睡眠などの生活習慣の見直し。それに加えて呼吸法や音楽、ヨガ、香り、ツボ押しなど。害がなくて自分が効果を感じるならば、続ける価値は大いにあります。更年期世代は子どもや夫、親の介護、仕事など複雑な悩みを抱える世代。他人は変えられないので、せめて自分自身をよい方向に変えていきましょう。
おぐら:今日のように更年期の悩みを聞いていただくと、とても心が軽くなると感じました。自分に合う対処法を見つけるべく、セルフケアもどんどん試してみようと思います。
『更年期と自律神経のセルフケアBOOK』(扶桑社刊)では、産婦人科医の高尾美穂さん×漫画家のおぐらなおみさんの対談のほか、更年期に効く食事術、セルフケア、ストレッチなどを紹介しています。