画廊と美術館での学芸員経験をもち、現在は美術エッセイストとして活躍中の小笠原洋子さん(76歳)。高齢者向けの3DK団地でひとり暮らしをしながら、月4万円の年金で生活しています。今回は、約50年ひとり暮らしをしてきた今、思うことを紹介します。
すべての画像を見る(全6枚)「生きる実感」を求めてスタートしたひとり暮らし
幼少期から自力で成し遂げられることが少なかった私が、ひとり暮らしをしてみたかったのは、なにもできなかったからこそ、生きる実感を手にしてみたかったからかもしれません。
苦境にも挑戦してみたいと思い、20代で家族から独立しました。45歳のときに正規雇用の仕事から離れ、年金生活に入る65歳まではアルバイトなど非正規雇用者として生計を立ててきました。
仕事をやめてからは在宅時間が増して、ひとり暮らしを始めた当初と衣食住全般に違いがでてきました。洋服はそれほど必要でなくなります。つい買いこんでしまったりして、タンスがパンクするのをさけるためです。
食生活は、私の場合改善されました。仕事をしていたときは、つい栄養配分や食事時間が乱れがちになりましたが、今は健康第一と考え、食べものに気づかうよう心がけています。
家で過ごす時間が増えたからこその心がけ
年金生活になってからのいちばんの変化は、家で過ごす余暇の時間です。
どうせ毎日家にいるのだから、面倒な家事は明日にまわせばいいといった自由時間の使いみちこそ、在宅時間の多い高齢者の落とし穴かもしれません。そこで「ひんぱんにお片付けをすること」を心がけています。
都心でのひとり暮らしが長かった私が、その頃住むことができたのは、家賃に見合う1DK程度の狭い住まいでしたが、郊外の団地に移ったことで3DKに暮らせるようになりました。部屋数が多いことは、それなりの開放感がありますが、その部屋をなるべく物置にしてしまわないように努めることが、今の私にできる仕事だと考えています。




