タンパク質は運動をする人だけでなく、すべての人にとって必須の栄養素です。健康的な体づくりにはタンパク質が不可欠で、筋力アップのほかにダイエット効果の期待も。ここでは、立命館大学スポーツ健康科学部教授・藤田 聡先生にタンパク質を上手にとるコツと朝にとるべき理由を教えてもらいました。また、忙しい朝にも簡単にできるレシピを『健康でいたいなら 朝のたんぱく質』(扶桑社刊)より、2つご紹介。
タンパク質を上手にとるコツ
食品から摂取できるタンパク質には、肉や魚、卵、乳製品などに含まれる「動物性タンパク質」と、豆や大豆製品、穀物などに含まれる「植物性タンパク質」があります。
効率よく体に吸収されるのは、動物性タンパク質。体内で必要量を十分につくり出せない「必須アミノ酸」が、植物性タンパク質に比べて豊富です。
しかし、脂質が多いものもあるので、とりすぎには注意が必要。一方、植物性タンパク質は必須アミノ酸は少なめですが、脂質が少なく、脂肪燃焼を助ける効果が高いので、健康のためには、両方をバランスよくとることが大切です。
●動物性タンパク質
肉や魚介類、卵、ヨーグルトやチーズなどの乳製品に多く含まれる。必須アミノ酸を多く含み、代謝を助け、疲労回復を促すビタミンB群も豊富。
●植物性タンパク質
豆や豆腐、納豆などの大豆製品に豊富。穀類や野菜にも含まれる。脂質が少なく、食物繊維を多く含む。脂肪燃焼効果は、動物性タンパク質より高い。
タンパク質を多く含む食材
動物性と植物性のタンパク質を両方バランスよくとりましょう。
●豚肉
たんぱく質のほか、代謝をアップするビタミンB群も豊富。モモ肉やヒレ肉は脂質が少なく、カロリーも低め。バラ肉やロース肉は、消化を促す香味野菜を組み合わせるのがおすすめ。
●鶏肉
タンパク質は、消化・吸収が速いほど、筋肉になるスピードもアップ。鶏胸肉やササミは、高タンパク・低脂質で吸収スピードが速い食材。モモ肉は脂質が多いので、とりすぎに注意。
●牛肉
おすすめは赤身肉。タンパク質だけでなく、鉄分が豊富。こま切れ肉や切り落としを使う場合は、いろいろな部位が入っているので、赤身が多そうなものを選んで食べて。
●魚介
白身魚やイカ、タコはタンパク質が豊富で低脂質。サバやアジなどの背が青い魚は脂質が多めだが、健康効果が高く、体内でつくれない「不飽和脂肪酸」が主なので積極的にとって。
●乳製品
牛乳やチーズ、ヨーグルトに含まれるタンパク質は、消化・吸収のスピードが非常に速いのが特徴。必須アミノ酸もバランスよく含む。腸内環境の改善や、骨の強化にも役立つ。
●卵
1個(50g)あたり、6.2gのタンパク質を含み、効率的にタンパク質が摂取できる。9種類の必須アミノ酸をすべて含み、理想とされる含有量を満たしている。
●豆・大豆製品
タンパク質の含有量は肉類と同等。豆そのものは食べるのに手間がかかるので、豆腐や納豆などの加工品を上手に取り入れて。おからパウダーはタンパク質の「ちょいたし」にも便利。