●1人モードとお母さんモードを使い分ける

――ESSEonlineの読者世代だと、「家族」で外食をする人も多いのですが、家族向けのお店の選び方はありますか?

稲田さん
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稲田:根本的な話でいうと、飲食店もご家族連れや小さいお子さんたちに対しては、守ってあげたい、大切にしなくちゃ、と思っています。ただ、そのお店のシステムやコンセプトによっては、そうはできない事情もある。そこはお客さんの方が見定めるしかないかもしれません。

また、実用的なことで言うと、どうしても都会に行けば行くほど、小さいお子さんやファミリー向けは難しかったりします。エリア性というのはどうしてもありますから、郊外の方が見つかりやすいです。自分の駅の周りにそういうお店がないなら、2、3駅下ってみてもいいかもしれません。ファミリー層地域でおいしい店が見つかったら、その周辺で芋づる式にいいお店が見つかるはずです。

――だからこそ「ソロ活」の一環として、おひとりさまが楽しめるお店を探してみるのもいいですね。

稲田:ご夫婦でも奥さんの方だけソロ活するみたいな話も結構聞くし、僕もそうあるべきだと感じています。家族だから一緒に出かけなければいけない、女性だからお子さんの面倒を見なければいけないみたいなことも、幸い最近取り払われつつあります。

ファミリーという単位の中にいる人であっても、やっぱり1人の時間を大事にしていいし、家族でいく店と1人で行く店って自ずと違ってくるから、倍楽しめばいいのではないかと。昔の価値観はもちろんまだ残っているけれど、確実に変化しつつあるでしょう。1人モードとお母さんモードを使い分ければいいだけだと思います。

失敗は織り込みずみで、ぜひいろいろな店を体験してみてください。もし、「マスター、久しぶり、いつもの」みたいな、常連客が多くてカウンターが濃すぎてあまりにもいたたまれないときは、「あ、電話がかかってきちゃった」とか言って退散してもいい。ぜひ、皆さんなりの飲食店の楽しみ方を見つけてみてください。

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