●自信のない人ほど、間違った行動をしてしまう

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承認欲求は正しく働けば、自己研鑽や自己成長につながりますし、内容によっては他者への貢献も大きくなり得ます。しかしながら、これを勘違いしてしまうと人と違う行動をして目立つことで承認欲求を満たそうとします。今は少なくなりましたが、非行少年たちが規則を守らなかったり、目立つ格好をしたりしていたのその表れです。SNSで問題となっている人たちも同じですね。誰もやらないことをやって承認されようとしています。

こういった決して適切とは思えない承認欲求ですが、その背景には「本人が持っている自信のなさが原因である」とされています。自分に自信がないがゆえに他人から認められることで自信を持ちたいという心理です。
ある程度理解はできるのですが、自信は他人からの言葉で育つものではなく、自らが何か行動して何かを成し得たり、失敗を乗り越えたりして初めて育ちます。それが証拠に、第一線で活躍している人はみな自信に満ち溢れているように見えますし、行動し続けてその場にいます。けっして安直な方法で自信をつけようとはしていません。

●SNSはその手軽さから、問題を起こしやすい

スマホ

もうひとつの「心理的障壁の低さ」ですが、これはネット社会ならではです。世間を騒がせた飲食店での問題動画にたいして、「それを目の前でできますか?」という問いかけをしている人が何人もいらっしゃいました。たしかに目の前にいる人の食べ物にイタズラをするというのはなかなかできることではありません。ましてや見ず知らずの他人であればなおさらでしょう。でもSNSではそれができてしまいます。

その理由にバーチャル感覚と参加のしやすさがあります。日常的にネットに触れていると、どうしても相手が直接どう思うか? どう感じるかという感覚が薄くなってしまいます。そのうえ、誰でも気軽にネットに投稿できて、たくさんの人がそれに触れる機会がある現代では、あまり深く考えることなく画像をアップしてしまうことができます。しかも拡散のスピードが段違いに速いため、訂正することはほぼ不可能です。内容が刺激的であればあるほどその傾向は強くなるので、気づいたときにはもうすべてが手遅れになっています。

数年前からこういった問題に対してIT教育の必要性が叫ばれていますが、現実にはなかなかそうはなっていないようです。IT教育を徹底することはもちろん大切だと思いますが、「自分の行動は誰かの迷惑になっていないだろうか?」そう考える習慣を身につけることの方がもっと大切だと私は思います。