「もともと妻がシーリングファンに強く憧れていて、リビングの吹き抜けに設置を考えたのが始まりでした」と話すのは、この春新居が完成した収納王子コジマジックさん。写真はそのリビング。白を基調とした空間に、スッキリした形状のシーリングファンがピタリとはまっています。シーリングファンとは、天井でクルクル回り、緩やかな風を送る送風機。吹き抜けがある間取りの場合、空気循環をするために人気の高いアイテムですが、いざ購入しようとすると意外に情報が少なく、選ぶ際に苦労したというコジマジックさんに、その時の模様を教えてもらいました。

シーリングファンに向かって手を伸ばすコジマジックファミリー
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目次:

天窓があっても、天井に傾斜があってもシーリングファンは設置できる暑さが和らいで省エネも可能にモーターは「DCモーター」を選ぶと静か電動昇降機をプラスしたから手元でシーリングファンの掃除ができる

天窓があっても、天井に傾斜があってもシーリングファンは設置できる

コジマジック邸の吹き抜け

コジマジック邸の吹き抜けには天窓が設置されています。「天窓は法規上、採光のために必要な窓でした。天窓があってもシーリングファンがつけられるのか心配でしたが、天窓と天窓の間に一段下がった梁があるため、無事取り付けOKとなりました」。

この梁は床面と水平を保っていますが、もし勾配や傾斜のある天井であっても、写真のようなパイプで吊り下げるタイプなら、天井の角度に合わせて根元部分の「ハングボール」と呼ばれる部品が動き、水平を保つようになっているそうです(傾斜を合わせた舟底天井は設置不可)。

ちなみにファンを設置する際、羽根の先端から壁面までは40~50㎝以上、床面とは210~220㎝離すことがメーカー推奨となっています。

シャープなデザインのシーリングファン

シャープなデザインのシーリングファンはオーデリックのOLC157。スリムな6枚羽で、従来の4枚羽に比べ、より自然でソフトな風を生むのが特長。2015年グッドデザイン賞も受賞しています。「ぼく、グッドデザイン賞と聞くと弱いんです(笑)」

暑さが和らいで省エネも可能に

シーリングファンのあるリビング

そもそもシーリングファンを設置する目的は、空気の攪拌(かくはん)。空気を攪拌させることにより、夏場はエアコンの冷気を広範囲に送り、また寒い季節は、暖気の上昇を抑えて室内の温度ムラをなくし、室内全体を暖かく保ちます。

今回コジマジックさんが商品を購入し、設置を依頼したシーリングファン専門店ファズーの店長・小俣祐介さんによると、夏場にシーリングファンを回して体で風邪を感じると、体感温度が約2℃下がるそうです。

設定温度を低くしなくても涼しく感じられるので、省エネ効果も期待できます。また、シーリングファンの電気代はこちらのDCモーター製であれば、1日8時間作動させても月に約150円程度だそうです。

コジマジック邸の2階LDKは、南北に長い約26畳のワンルーム。一番南側がリビング、ダイニングを挟んで北側がキッチンです。

「気温が高い日にキッチンで作業中、シーリングファンをつけると緩やかな風が届いて、あ、涼しい風が来るなと感じました」とは奥さまの感想。南側壁面のエアコンの冷気がファンで効率よく届けられたようです。

キッチンから見たリビングダイニング

奥に見える、天井から光が射しているところがシーリングファンを設置した吹き抜け。エアコンからキッチンまでは結構距離がありますので、その効果の高さがわかります。

モーターは「DCモーター」を選ぶと静か

リモコンでシーリンクファンを操作するコジマジックさん

ところでシーリングファンは夏場と冬場で羽根の回転が変わることをご存じでしょうか。夏場は送風を下向きに設定し、下にいるヒトに直接風を届けて温度を下げます。

逆に冬場は送風を上向きに設定。暖気の上昇気流を殺さずそのまま上に吸い上げ、そこから効率よく循環させて足元を暖めることが可能に。回転方向の切り替えは、リモコンの操作ひとつでOKです。

シーリングファンを見上げるコジマジックファミリー

コジマジック邸でシーリングファンを回してもらうと、運転音は思ったよりもずっと静か。この製品はDCモーターを採用していて、もうひとつのタイプであるACモーターよりも静音設計なのだそうです。

さらに言えば、DCモーターは静音設計で省電力なのにパワフル。回転数の制御に優れているため、ゆっくりとした回転も得意ワザ。ただし、ACよりもDCは価格が高めで種類も少ないそうです。

電動昇降機をプラスしたから手元でシーリングファンの掃除ができる

シーリングファンを掃除するコジマジックさん

シーリングファンを設置する際にネックとなるのは、掃除のしにくさ。高さのある吹き抜け天井に設置してあるとより掃除がしにくくなります。きれい好きなコジマジックさんとしては、かなり気になるところ。

「3階の部屋に室内窓があれば、そこから柄の長いホコリ取りで掃除する方法もありますが、その窓もない。そんなときファズーさんに教えてもらったのが、シーリングファン用の電動昇降機でした」。

シーリングファンを電動で上下させることができる

電動昇降によってシーリングファンが大人の背の高さぐらいまで下がり、ラクに掃除できそう!電動昇降機はオーデリックの製品(OXO004)で、最大5mまで昇降可能。

「ファズーさんから聞いたのですが、もともと昇降機は照明器具の電球の交換を目的としたもので、かつては数社が製造していたそうですが、今はオーデリック1社のみに。なぜ減ったのかというと、理由はLED電球の普及。LEDは長寿命なので交換の回数が減り、それとともに電動昇降機の需要も減ったのだそうです。電動昇降機の価格は6万円程度。先々のお掃除の手間を考えれば、それほど高くはないかなと思いました」とコジマジックさん。

下がったシーリングファンとソファ

ちなみに電動昇降機のスイッチは壁設置型。コジマジック邸の場合、リビングの壁面収納の一番上の段に収納しています。ここはインターネットやケーブルテレビ関連機器の定位置。

「ここなら目立たせたくないスイッチもスマートに隠せる。子どもの手の届かない安全な場所すしで、一石二鳥かなと思います」。

リビングの壁面収納を開けた様子

シーリングファンのあるリビングの壁面収納を開けた様子。

電動昇降機の壁付けスイッチ

左上の段の内側に電動昇降機の壁付けスイッチが収納されています。「省エネ効果も期待できて空間のアクセントになるシーリングファン。付けるかどうか迷っているという方の参考になれば幸いです」(コジマジックさん)

取材協力/シーリングファン・ライト専門店ファズー