●イライラ、うつ気分のセルフケア

ささいなことでイライラしたり、特に理由はないのに気分が沈んだりする症状も、更年期に訴えの多いもののひとつです。

急激に減少する女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて、感情のコントロールが難しくなることに加え、更年期の女性を取り巻く環境が変化しやすく、大きなストレスがかかりやすくなることも影響していると考えられています。

【栄養バランスを意識した食事】

鮭などの献立
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5大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)をまんべんなく取りましょう。ビタミンやミネラルは、気持ちを穏やかに整える働きが期待できます。

例えば、ビタミンCは、強いストレスを受けると体内で大量に消費されます。カルシウムは、神経の働きやホルモンの分泌などにも関わり、足りなくなると骨から供給されます。どちらも不足しないように日頃から適量を摂ることが大切です。ビタミンCは果物などに、カルシウムは、乳製品や小魚などに多く含まれています。

【セロトニンの分泌を促す運動】

適度な運動習慣には、ストレスをやわらげる効果が期待できます。とくにリズミカルな運動には、幸福ホルモンとも呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」の分泌を促す働きも。

家の中で運動をする場合も、朝、太陽の光をしっかり浴びることで、セロトニンが分泌されやすくなり、気持ちを穏やかに整えやすくなります。

【リラックス度を上げる入浴法】

温かいお湯にのんびりつかると、浮力の働きで体の緊張がほぐれてリラックスできます。また、いったん上がった体温が下がる過程で自然に眠たくなるので、睡眠の質が上がり、疲労感の解消にも役立ちます。

【ライターのイライラ、うつ気分体験:1人の読書時間が大切】

更年期を迎えたばかりの頃は、小さな噴火を起こしては、その後1人で落ち込む…といったことを繰り返していた気がします。そのときの経験から、今は気分が揺らぎそうになったら、子どもたちも大きくなったので、早めに自分の部屋にこもって、少しの間1人になるようにしています。

読書をする女性

私の場合は、本を読みはじめると、活字を目で追いかけているうちに、イライラしていたことから気がそれていくことがわかったので、とにかく最初の数行に集中するようにしています。不調のピークは越えた気がしますが、いつ気分が揺らいでもいいように、本は常に好きなものを数冊、小さなソファの上に出して、ラベンダーの精油も常備しています。気分がなんだか沈む…というときも、この方法は私には有効でした。

また、日々の習慣としては、朝はできるだけ太陽の光をあびるようにして、小魚や果物も多めに食べるようにしています。疲れると症状が強く出てしまいがちなので、「今は更年期だから」と自分に言い聞かせて、無理をしないようにすると穏やかに過ごせる気がします(※あくまでも個人の感想です)。

参考資料: 『中高年女性健康教育マニュアル』小山嵩夫監修(日本家族計画協会刊) 『女性医学ガイドブック・更年期医療編』日本女性医学学会編(金原出版刊) 『更年期医療ガイドブック』日本更年期学会編(金原出版刊) 『心と体の不調をなくす40歳からの女性ホルモンケア』相良洋子監修(家の光協会刊) 『自分でできるやさしいお灸』吉田明代監修(ナツメ社刊)