「子どもの様子を見ながら食事の支度ができる」「食事の支度を家族全員で行える」…。そんな理由で、アイランドキッチンや、コの字キッチンといったオープンキッチンが人気です。キッチンを家族のコミュニケーションの中心にしたいという人には、とても魅力的。でも、実際の使い勝手を知りたいところです。 そこで、自宅キッチンが回遊性のあるオープンタイプだという、整理収納アドバイザーの露重和子さんに質問。このプランにしてよかったこと、もっとこうすればよかったと思っていることを教えてもらいました。 地元の工務店で家を建てて7年。使い続けることで、はじめてわかったことも!オープンタイプのキッチンを検討中の人は、参考にしてください。
すべての画像を見る(全7枚)Ⅱ型キッチンは、対面式と壁づけ式のいいところを取り入れたプラン
Ⅱ型キッチンは、2本のカウンターが平行に並んでいるキッチンのこと。オープンなレイアウトが特徴に。カウンターと壁側にシンクとコンロを分け、双方向に動くことができます。
ある意味、対面式と壁づけ式、それぞれのいいところを取り入れたキッチンといえます。
Ⅱ型キッチンのメリットは、シンク回りで野菜を洗ったあと、背後のコンロで野菜をゆでるといった一連の動きが、振り返るだけで行えること。コンパクトな動きで食事つくりができ、作業効率が上がります。
また、2人以上でキッチンで作業しても、お互いを干渉せず、ストレスなく作業できます。ひとりはシンク回りで、もうひとりはコンロ回りでといったように、分かれて作業できるので、家族で料理を一緒に楽しみたいと考える家庭におすすめです。
Ⅱ型キッチンは、冷蔵庫や食器棚へのアクセスや配膳もスムーズ
リビング続きのオープンキッチンなので、キッチンが家族のコミュニケーションの中心になっています。
キッチンから生まれる家族のコミュニケーションの時間は、忙しい暮らしのなかでいちばん大切にしたい時間。Ⅱ型キッチンにしてよかったなと、実感しています。
また、回遊性のあるⅡ型キッチンなので、冷蔵庫や食器棚へのアクセスが2方向あり、家族が行き来しやすいところも気に入っています。
ダイニングテーブル兼カウンターなので、コンロで調理後は、すぐに配膳できるのも時間短縮につながり便利です。
カウンターの下も、収納スペースとして確保できることも、Ⅱ型キッチンのメリットです。筆者宅のカウンター下は、無印良品の収納アイテムを活用して、整えました。
通路が汚れやすいことが盲点。収納が見えすぎてしまう対策も必要!
コンロとシンクが分かれているため、それぞれの間を行き来しながら調理をするので、水はねなどで通路スペースが汚れやすいです。
カウンターの間のスペースの床を、水に濡れてもいい素材のタイルなどにすればよかったなと、今さらながら後悔しています。
コンロが壁側ではなく、対面側にあるので、調理中の油がテーブル回りに飛び散ります。キッチンの中心部分になる場所なので、パネルをつけるのはとりやめたのですが、やはり油はねは気になるもの。調理中は油はねガードを設置するようにしています。
キッチンの収納に追加した収納棚には、扉をつけてもらいました。生活感の出やすいオーブンは棚にしまい、隠す収納に。
筆者宅のようなⅡ型キッチンや、コの字キッチンなどのオープンキッチンは、対面式のキッチンと比較すると、見せる収納の割合が多くなる傾向に。隠す収納が少なくなり、片づけや収納のハードルは高くなりがちです。
Ⅱ型キッチンにする場合、壁側の収納スペースを扉つきにする、別の場所にパントリーをつくるなど、隠す収納を追加することをおすすめします。 筆者が感じた回遊性のあるⅡ型キッチンのメリット、デメリットを、これからの家づくりの参考にしてください。