子どもが金銭感覚を身につける上で、今のうちにどんなことをしておけばよいのでしょうか? 『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社刊)の著者で、親子向けの金融教育セミナーを行うFPの谷口達也さんによると、「“稼ぎ方”を教えるより重視するべきことがある」といいます。詳しく教えてもらいました。
※ この記事は『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しています。
すべての画像を見る(全2枚)最低限のおこづかいしか渡さなければ、浪費家に育つ
最小限のおこづかいを渡し続けると浪費グセがつくといわれても、子どもにお金を多く渡しすぎると「遊びにばかり使ったり、危ないことに巻き込まれるリスクも増えるのでは…」と不安の方が大きい方もいますよね。
なかには、子どもに渡すおこづかいはギリギリのままで、代わりに「必要があれば、その都度親がお金を渡せばいい」と思う方もいるかもしれません。
子どもにとっても「親にいえば買ってもらえる」ということで、おこづかいに余裕が生まれたように思うかもしれませんね。
でも、浪費グセをつけないために大事なのは単に「おこづかいの金額が多いこと」だけではないのです。
●「取っておくべきお金」を子どもに渡すメリット
金融教育をする立場からいわせていただくと「親が必要なお金をその都度、子どもに渡す」というのは、「使いみちの決まったお金を子どもに渡している」だけで、これでは浪費グセを回避することにはなりません。
デンマーク工科大学の調査では、予算管理の助言の有無も、将来の資産形成に有意な差が出るとあります。
浪費グセをつけないことを含め、おこづかいで金融教育をするときのポイントは「親の見守りのもと、子ども自身がお金の予算管理をすること」なのです。
定期的なおこづかいとは別に「親が必要に応じて渡すお金」は、一見、臨時で増額されたおこづかいのようですが、使いみちの決まった「必要最低限のお金」ですから、子ども自身が予算管理をする必要はありません。
ではどうするかというと、あらかじめ、定期的なおこづかいと一緒に「必要な分のお金」を先に子どもに渡しておくのです。これなら、必要な分のお金は「取っておかなきゃ」と子ども自身が予算を分けて管理することになります。
これこそが、私がいちばん伝えたいおこづかい教育の肝なのです。
おこづかいは家庭でできるいちばんの金融教育
子どもへのおこづかいの金額、渡し方については、家庭ごとの教育方針などによって、いろいろな考え方があると思います。
それでも、私が声を大にしていいたいのは、おこづかいは「家庭でしかできない金融教育」であり、お金に困らない大人に育つための練習するツールになるということです。
子どもが一生、お金に困らない大人になるために大事なのは「どうやって稼ぐか」ということと思われがちですが、じつは「お金を予算で分け、管理できるか」の方が肝心です。
たとえば、いわゆる億万長者でもない限り、どんなに高収入の人も無計画に使いたい放題では、いつの間にかお金がなくなり、必要なものが買えない「お金に困る大人」になる確率が高くなってしまいます。
●大人になっていきなりお金の管理はできない
ビジネスでも企業が大きくなるためには、経理部、財務部など、お金を管理する部署がしっかりしていることが必須。
収入が少なめだったとしても、浪費をガマンしたり、使う目標があって積み立てをしたり、お金の予算管理がきちんとできれば、必要なものをあきらめずに手に入れ、お金のストレスを知らずに豊かな人生を歩む確率は高くなるわけです。
もちろん、子どもが成長して社会人になれば、住居費をはじめ、生活をするために必要なお金があることは理解できると思います。
でも、社会人になるまでお金の予算管理の経験がなければ、必要なお金まで使ってしまうなど、いきなり上手にやりくりができるとはかぎりません。
浪費が増えると、貯金が増えないばかりか、ひいてはお金に困ってギャンブルにはまったり、儲け話に飛びついて大損をしたり…。自分の子に限ってまさか、と思うかもしれませんが、油断はできません。
知らずに犯罪に巻き込まれるケースを含め、お金に関するトラブルが増えたことも、金融教育の必要性が叫ばれるようになった背景にあります。しつこいようですが、そのために大事になるのは「家庭での金融教育」です。
