40歳を過ぎた頃からこれまでにない体のゆらぎが出てくることも。その変化の背景にあるのが、ホルモンバランスが乱れやすい「更年期」。ここでは子宮にできるコブ状の「子宮筋腫の悩み」や、動悸やホットフラッシュといった「更年期症状の遺伝確率」などについて、産婦人科医の高尾美穂先生に答えてもらいました。
※ この記事は『高尾美穂のオトナ世代のこころとからだ相談室』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
すべての画像を見る(全3枚)Q:そろそろ閉経。子宮筋腫は我慢して乗りきるべき?
最初の質問は、閉経後の子宮筋腫の対処法について。
「45歳のとき子宮筋腫が見つかりましたが、症状も軽く、年齢的にも経過観察に。毎年検診していますが、現在約10cmまで大きくなり、おなかがぽっこり…。生理はまだあります。我慢すべき?」(51歳)
A:定期的な大きさのチェックは大切です。困りごとがあれば内服薬で対処も可能
更年期には、子宮筋腫が大きくなることもあります。これは女性ホルモンが十分に分泌されないことにあせった脳が卵巣に対し「もっと分泌して!」と強い命令を出すことで、一時的に分泌が過剰になるためです。子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて成長するため、もともと存在していた子宮筋腫が大きくなることもあるわけです。
ただ、逆に言えば、閉経を迎え、女性ホルモンの分泌がほとんどなくなると、子宮筋腫は自然に縮小する傾向にあります。日本人の閉経の平均年齢は50.5歳であり、相談者さんのように45歳で筋腫が見つかった場合は、大きさや場所にもよりますが、年齢を考慮して経過観察となるケースが一般的です。
相談者さんは、経過観察中に約10cmまでに大きくなったのでしょう。ただ、医師が経過観察で「問題ない」と判断していること、ご本人も特段困っておられないこと、また、子宮筋腫のサイズが10cm程度であればとても大きいと判断される部類でもなく、年齢を踏まえれば、このまま閉経を待つほうが現実的かもしれません。
とはいえ、まだ生理があり、子宮筋腫によって過多月経や生理痛などのつらい症状があれば、飲み薬の「レルミナ(GnRH アンタゴニスト)」を服用することで、人工的に閉経状態をつくって筋腫を小さくし、症状を抑えることも可能です。困っていることがあれば医師に伝え、適切な対策を選択できる時代です。
●おなかがぽっこりしてきたら「卵巣がん」かも
ちなみに、40代以降で急におなかがぽっこりしてきたときに気にしてほしいのが「卵巣がん」です。
卵巣がんはサイレントキラーと呼ばれるほど初期症状が乏しく、早期発見が難しい病気です。ここ数年、婦人科的なチェックを受けておらず、ウエストがきつくなってきたら、一度安心のためにも婦人科で検査を受けてくださいね。

