防災対策を始めたいが、なにから始めればいいのかわからない…という方も多いのでは? 「被災時、復旧・復興へ向かうまでの時間を、不安と不便のなかで過ごすのか、制約があるなりに少しでも快適に過ごすのかは、日頃の備えに左右されます」と語るのは、看護師資格をもち、国内外30か所以上の被災地で活動してきた、国際災害レスキューナースの辻直美さん。防災グッズをそろえる前に知っておきたい、いざというときに備えた心構えについて教えてもらいました。
すべての画像を見る(全7枚)「防災グッズ、なにからそろえれば?」と迷う人が最初にするべきこと
防災をゼロから始める人にとって、まず悩むのが「防災リュックや在宅避難に、なにがどれだけ必要なのか」という点。
自身も被災経験があり、最新刊『最強版プチプラ防災』が3月6日に発売される、防災の専門家の辻さんによると、
「東京都などは、在宅避難の場合、1週間生活できるだけの備えを推奨しています。東京都総務局の『東京備蓄ナビ』を見れば、家庭ごとに必要な量の目安がわかります。防災リュックも、最近はセット商品が販売されているので、それを活用するのも1つの方法です」(辻直美さん、以下同)
ただし、こうした目安や市販セットはあくまで“標準仕様”。
「東京備蓄ナビが示すのはあくまで目安。市販の防災リュックも一般的な内容です。そこから、自分たち家族にとって『いるもの/いらないもの』を考え、たし引きすることが大切です」
どの家庭でも共通して、絶対に備えておくべきは水です。1人1日3リットル×家族人数分×10日分は最低限確保しておきたい量だそう。そして、トイレは家族全員分を1か月分。そのうえで、「どんな避難生活を送りたいか」によって中身を調整していきます。
「普段あまりお米を食べない人が長期保存用のアルファ化米を大量に用意する必要はなく、パスタが好きなら、お気に入りのソースとともに用意をする。ショートヘアの人がドライシャンプーを何本も備える必要もないけれど、肌がスッキリしていないとイヤという人はボディシートやおしりふきを多めに備えた方がいい。このように、自分が気になるところを手厚くするようにしていくのです」
そして重要なのが、用意したものは必ず事前に試しておくこと。
「使ってみないと、たとえば、モバイルバッテリーの端子が合わず使えないとか、ポータブル電源のINとOUTがわからないといったことも起こり得ます。日常で使っておけば、子どもたちに扱い方を教えることもできます」
普段から使って「心地いい」「便利」と感じられるものは、被災時の心の支え・安心にもなるのです。
「防災グッズ」にもなる日用品4つ
備えは不安への手当だけれど、1つ1つの不安に専門のアイテムを買いそろえていくと、費用も保管スペースもいくらあってもたりません。
「必要なのは、あるものでなんとかする知恵と工夫」だと辻さんは言います。
その意味で、多用途に使えて重宝するのが「PPGS」(ペットシーツ・ペットボトル・ゴミ袋・新聞紙)の4アイテムです。
●1:ペットシーツ
おむつ代わりや、赤ちゃんの沐浴時の吸水に。水を含ませれば、簡易の枕や氷のう代わりにも使えます。
・ペットシーツを使った枕のつくり方
(1)吸水面を表にして2つ折りにしたペットシーツをレジ袋に入れ、水を注ぐ。
(2)吸水したペットシーツが膨らんだら水が漏れないようレジ袋の口をしっかり縛り、枕のように形を整える。
●2:ペットボトル
懐中電灯と組み合わせれば、簡易ランタンとして使用可能。穴をあけたキャップをつければ節水シャワーに。側面をカットすれば食器代わりにもなります。
●3:ゴミ袋
雨具や防寒具として活用可能。2枚重ねて段ボールにセットすれば、簡易の貯水タンクにもなります。
●4:新聞紙
もんでやわらかくすると防寒材に。細かく破けばストレス軽減にも。PPGSを組み合わせれば、簡易トイレもつくれます。





