パートタイムで働いている主婦なら意識してしまいがちな「扶養の壁」。「扶養を越えると手取りが減ってしまう…」という悩みをもったことがある人も少なくないのではないでしょうか? じつは、共働き夫婦の増加とともに、社会は制度の見直しを行っている今、「扶養の壁は越えた方がいい」と、YouTubeでも人気の社労士「社労士みなみ」さんは言います。今扶養を抜け出すべき理由について、詳しく教えてもらいました。
※ この記事は『50代からのお金の新常識 知っている人だけが得をする人生逆転プラン』(かや書房刊)より一部を抜粋し、再編集しています。
すべての画像を見る(全3枚)「扶養の壁」は越えた方がいい?
「手取りが減るので扶養内で働きたい」。今、その働き方に大きな変化が起きています。
現在、「パート主婦」と呼ばれる働き方があります。パート主婦のなかには、配偶者の扶養に入りながら、社会保険料を自分で払わずにすむ「第3号被保険者」という立場で、パートタイムの仕事をしている人たちが多くいます。けれども国は、「共働き」が当たり前になってきた今の社会に合わせて、制度の見直しを進めています。
とくに「社会保険に入る人をもっと増やそう」という議論が、年金部会(厚生労働省の社会保障審議会)を中心に進められているのです。一方で、「子育て中だからフルタイムはムリ」「介護で外に出られない」など、今の制度が必要な人も、もちろんいます。
ですから、すべての人に「今すぐ扶養から出ましょう」と言いたいわけではありません。ただ、「夫の収入が高いから、ずっと扶養のままでいい」と思っていた人にとっては、これから先、考え方を見直す時期にきていると思います。
●「扶養の壁」を意識して働くことで損をする可能性も
実際に、「年収の壁」を意識して働いているパート主婦は、全国で147万人いると見られています。社会保険に入ると手取りが減るから、働きすぎないようにシフトを調整している。そうやって、「壁の内側」で止まっている人が、たくさんいるのです。
けれども私は、社労士として、またひとりの元主婦としてこう伝えたいです。
年収の壁の向こう側には、もっと自由で、自分らしい働き方が待っています。そして、そこに早くたどり着いた人ほど、将来の安心を手に入れやすくなるのです。
自分自身を守るためにも、そして、自分で自分を支えられる力をつけるためにも、今、「扶養」という安心の枠から一歩外に出ることが必要です。それが、これからの時代を生きるための大切なカギになると、私は思っています。
扶養の壁を意識して働き方をセーブすることで、じつは目には見えない損をしているかもしれません。
ここでは、私がとくに大事だと感じている、3つのポイントをお伝えします。
