加入している人も多い「生命保険」。じつは、必要以上な金額をかけすぎていたり、保障内容が重複していたりといったケースもあるようです。YouTubeでも人気の社労士「社労士みなみ」さんは、「50代から必要となる生活の見直しの中で、見落としがちなのが保険選び」と話します。ムダな出費を減らすために知っておきたい「保険の見直し方」について、詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『50代からのお金の新常識 知っている人だけが得をする人生逆転プラン』(かや書房刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

保険の見直し
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保険の見直しの「鉄則」

生命保険に限らず、保険の役割は、おもに一家の大黒柱が亡くなった場合に、残された家族の生活を保障することや、子どもが大学を卒業するまでの教育費など、一時的に大きな資金が必要になる時期の保障などが挙げられます。

しかし、遺族年金や高額療養費制度といった公的な制度があるため、これらの公的保障でカバーできる範囲については、必ずしも過度な保険による保障は不要な場合が多いのです。

とくに、会社員の人の場合は、勤務先の健康保険組合による高額療養費制度や、さらに手厚い付加給付があることがあり、医療費の自己負担額が大幅に抑えられるケースもあります。

そのため、民間の医療保険の必要性が低いと判断できるものも多いのです。

保険の見直しで気をつけることは、「健康なうちにやること」です。体調を崩したり、病気が見つかったりしてからだと、新しい保険に入り直すのが難しくなったり、条件が悪くなったりもするので、元気なうちに見直すことが鉄則です。

年間20万円の保険料を減らせたケースも

悩む夫婦
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「本当にその生命保険、今の自分たちに必要なのかな」と、ある50代の夫婦が疑問をもちました。そして、自分たちが入っている保険を丁寧に見直してみることに。

すると、驚いたことに、年間で20万円もの保険料を減らすことができたのです。

●見直し1:「死亡保険」の保険料を減額

最初に手をつけたのは、死亡保険です。子どもはすでに独立していて、妻もパートで収入があります。夫が万が一亡くなったとしても、遺族年金と妻の収入と貯蓄で生活はなんとかなると判断しました。そこで、大きな死亡保障は不要と考え、必要最低限だけを残して大幅に保険料を減額しました。

●見直し2:「介護保険」を解約

次に、介護保険です。保険料は月に何千円も払っていたのに、いざというときに受け取れるお金は思っていたよりも少ない。夫婦は「この金額なら、将来のために貯金したほうがいいかもしれない」と考え、思いきって解約しました。

●見直し3:「医療保険」を別商品に入り直し

最後に、医療保険です。夫婦それぞれ、昔から医療保険に入っていましたが、よく確認してみると、どちらも「入院が7日以上続かないと給付が出ない」という、古いタイプの保険でした。

でも、今は医療の進歩で、たとえがん治療でも長期入院は少なくなっています。短期入院や日帰り手術が増えている時代に、この保険内容では不利です。

そこで夫婦は保険を見直し、入院1日目から給付が出るタイプで、手ごろな共済の医療保険に入り直しました。保障はしっかりと確保しつつ、保険料はぐっと抑えることができました。

この見直しによって、毎月の保険料は約1万6000円も減り、年間で約20万円の節約になったのです。

これを20年続ければ、合計でなんと約400万円の差になります。これは見過ごせないほどの大きな金額です。