すみっこにいると、なぜか落ちつく。そんなちょっぴりネガティブだけど個性的なキャラクターが人気の『映画 すみっコぐらし』シリーズ。最新作『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』でナレーションを担当する本上まなみさんが、ご自身の暮らしや子育てと重ねながら、すみっコの魅力について語ってくれました。
すべての画像を見る(全4枚)すみっコたちを見ていると、「ひとりでがんばらなくてもいい」と思える
「見た目はぷにぷにしたかわいらしいキャラクターだけど、描かれているテーマはだれもが抱える問題と重なっていて。観たあとに『ああ、こういう意味だったんだな』と違う視点で振り返ることができる。そこが、大人からも人気の理由なんじゃないかと思います」
そう『映画 すみっコぐらし』の魅力を語るのは、シリーズの1作目からナレーションを務める本上まなみさん。最新作『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』でも、お互いに足りないところをサポートし、力を合わせるすみっコたちの姿に、家族のあり方を重ねていたそう。
「わが家には大学生の娘と中学生の息子がいるのですが、すみっコたちのように、それぞれ好きなことと嫌いなこと、得意なことと不得意なことがあるよね、という話は常にしています。だから家事も、ごはんづくりはこの人、掃除はこの人…と得意な人に任せるようにしています。家事でも仕事でも、自分だけが先回りしてやろうとすると疲れてしまうけど、すみっコたちを見ていると、ひとりでがんばらなくてもいいんだって思えるんです」(本上まなみさん、以下同)
親としてから回りすることもあるけれど…
親だからといって、なんでも完璧にできるわけではなく、ときには失敗もする。それを素直に見せることも、本上さんが子育てで心がけていること。
「たとえば子どもに『残さず食べてね』と言いながら、自分は食べきれずに『お腹いっぱいになっちゃった、ごめん!』と謝ったり(笑)。たとえ失敗して怒られることがあっても、次で挽回すればいいと分かってもらえたらいいなと思っています」
子どもに「こうあってほしい」と理想を押しつけるのではなく、それぞれの個性をそのまま認めればいい。そう思わせてくれるのも、すみっコたちの魅力です。
「子どもに対してそんなふうに考えちゃだめだと分かっていても、『なんでできないんだろう?』『もっとこうしてほしいのに』と思ってしまうことも。でもすみっコたちを見ていると、みんな違っていいんだと思い出せる。親としてから回りしているときも、すみっコが引き戻してくれるんです」
そんな気づきをくれるすみっコたちだからこそ、これまでのシリーズも子どもと一緒に楽しんできました。
「息子はすみっコのキャラクターが大好きなのですが、映画を観ながら、彼なりに気づきや学びもあるようです。やっぱりまだ子どもなので、『これはこういうものだ』と思い込みで物事を見ていることも多いんですけど、すみっコを見ていると『自分はこう思ってたけど、ほかの子は違うんだな』と気がつくみたいで。それは学校生活からも学べることですが、映画だと、よりストレートに伝わってくるみたいなんですよね。今回の作品はどう受け止めてくれるのか、私も楽しみにしています」
朝食の定番は季節の野菜のせいろ蒸し
思春期を迎えた子どもたちとは、ときに小さな衝突が起こることも。そんなときに家族をつないでくれるのが、「食卓」だと本上さんは話します。
「ちょっとした行き違いがあっても、息子の好きなものを食卓に並べると、『お母さん、今日は僕が片づけるよ』と言ってくれて。やっぱり食べることって大事だなと思いますし、仲直りや応援の気持ちも伝えることができるんです」
朝食を取りながら、「今日の夜はなにを食べたい?」と話すのも、大切なコミュニケーションの時間に。
「わが家の朝は、せいろで蒸した野菜が定番。冷蔵庫にある野菜を切って蒸し、それぞれマヨネーズ、塩コショウ…と好きな味つけで食べるんです。ふたを開けて湯気がふわっとのぼると、それだけでごちそうに見えるし、くさくさしているときも気分がちょっと和らぐ。家族みんながほっこりできて、いいことだらけなんです」
せいろは、夕食づくりがおっくう…というときにも活躍するのだそう。
「キャベツもやしニラを蒸籠にぎゅっと詰めて上にお肉を乗せて数分蒸せば完成の簡単料理。ごはんを作るのが面倒くさいけど、外で食べたら野菜が少ないしなあ、という気分のときはこういうものを作ったりします。つけダレはお好みで。梅、ポン酢、ゴマダレなど」
ごはんづくりもがんばりすぎず、ちょっとした工夫をするだけで食卓が豊かになる。
本上さんの暮らしには、自然体でありながら家族を思う、やさしいあたたかさが流れていました。
【作品情報】
『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』
ナレーション:井ノ原快彦、本上まなみ
主題歌:木村カエラ「君の傘」(ELA/Victor Entertainment)
原作:サンエックス
監督:イワタナオミ
脚本:角田貴志(ヨーロッパ企画)
美術監督:日野香諸里
アニメーション制作:ファンワークス
配給:アスミック・エース
2025年10月31日(金)全国ロードショー



