ものを手放すことは、収納や家事がラクになるだけでなく、思いがけないメリットをもたらしてくれます。ミニマリストのめいさん(40代)は「考え方が変わってとても生きやすくなった」といいます。周りに振り回されず、自分らしく生きることができるようになったという、めいさんの事例をご紹介します。
すべての画像を見る(全5枚)ものに囲まれていた頃は「他人の価値観」で生きていた
ミニマリストのめいさんは現在40代。夫、高校生の子どもの3人で、こだわりの注文住宅に暮らしています。かつてはライフオーガナイザーの資格も持ち、余白のあるすっきりとした暮らしを発信中。
「以前の住まい、マンションに住んでいたころは大量のものと家具に囲まれていました。クローゼットは満杯で、キッチン道具も同じ用途のものを重複買い。片づけをしていたら菜箸が10組出てきたこともあります」(めいさん、以下同)
ものが減ったら、減ったぶんのスペースが空き、出し入れしやすくなります。そしてどかすものが減るから、掃除もしやすく、管理しやすくなる。
ものを減らすことで家事がラクになるのはもちろんですが、それよりもめいさんが実感しているのは「心の安定」です。
「その頃を振り返ると、他の人が持っているから、人がおすすめしていたからという理由で買い物をしていました。自分が心から欲しいと思っているわけではないから、ものが増えて散らかるとイライラ。人と比べては、悩みをどんどん大きくしていたと思います」
でも、ものを手放し始めると、自分が本当に欲しいもの、必要なものだけに焦点を合わせられるように。
「他人軸から自分軸になったのですね。私も欲しい、ではなくて、私が欲しいという基準でものを選べるようになりました。例えば車。子どもがいれば車があるほうが便利、あって当たり前という考えだったのが、『わが家のライフスタイルでは必要ないよね』と判断できるようになりました」
ものを捨てることで、「人生の迷い」が減った
たくさんのものを捨てるときは、「私はどういう暮らしがしたいのか」「私はなにが好きなのか」という疑問と徹底的に向き合ったというめいさん。
「自分のことをわかっていないと、必要で、残すべきものを選びとれません。このことをしっかり考えてからは、好きだから残す、もういいから手放す、の判断に迷うことがなくなったんです」
ものだけではなく、暮らし方や人生そのものも迷いがなくなったそう。
「なにをどうすれば自分の暮らしにいちばんいい選択になるのか。それが自然と分かるようになったのです」