日当たりがよく、快適な空間のイメージがある「南向きのリビング」。しかし、ここ数年勢いを増す夏の酷暑、残暑の厳しさにより、一概にはそうも言えなくなってきました。1年前に家を建てた筆者も、南向きのリビングで思わぬ事態に見舞われたひとり。対策を講じた筆者は、庭にオーニング(日除け)を設置したことで、暮らしに大きな変化が訪れたといいます。今回、オーニング設置の手順や注意点などについて、詳しく語ります。
すべての画像を見る(全5枚)南向きのタイルデッキは、日射熱で危険な熱さに
筆者は、40代共働き夫婦で愛犬と暮らしています。大手ハウスメーカーに依頼して約1年前に、都内に延べ床面積33坪の2階建て注文住宅を建てました。都内のマンションからの住み替えです。
わが家のリビングでは南向きに大きな窓を設け、LDKからフラットにつながるタイルデッキをつくりました。外との一体感を楽しめる、とても気持ちのいい空間です。
ところが、庇(ひさし)をつけなかったため、夏の直射日光が大きな課題に。とくに日差しが強い日には、窓から差しこむ光で室内の温度が一気に上がってしまい、エアコンの効きも悪くなります。
また、タイルデッキは真夏には裸足で歩けないほど熱くなり、冗談抜きで「目玉焼きが焼けそう」なくらい。せっかくの大開口やデッキが、夏になると逆に使いづらくなってしまうのです。
昔は、「南向き」にしておけば日当たりもよくて快適、というイメージでした。しかし、これだけ夏の暑さがひどくなると、南向きの空間には日射対策も必須になるなぁと実感しています。
日除けの設置で60℃→32℃まで下がったテラスの温度
強い日差しでタイル張りのデッキテラスがアツアツ、リビングもムワッと暑い…。そんな悩みを、わが家では後づけでシェードを取りつけて、オーニング(日除け)を設けることで解決しました。
庭にシェード柱を立てて、既製品のシェードを購入。家の新築時、外壁に設置しておいたタープフックにシェードを取りつけました。日差しをしっかり遮りながら、エアコン効率もアップ。裸足でデッキに出られる快適さを手に入れました。
外壁のタープフックとシェード柱にシェードを固定することで、ピンと張れることができたので、見た目も美しく、安定感も抜群。風にあおられてもバタつきにくいのが大きなメリットです。
風が強い日や台風の前には、金具から取り外して片付けることも容易です。
実際に設置して驚いたのは、温度の違い。シェードを張らないとデッキ上は60℃まで上がるのに対し、シェードを張ると、その下は32℃に。およそ28℃も低くなったことに。
体感としてもまったく違いますね。真夏でもタイルテラスに裸足で出られるほど快適になりました。またテラスに面したリビングのエアコンの効きも格段によくなりました。