「片付けなきゃ」と思いすぎて、家族のなに気ない一言にイライラしたり落ち込んだり…。そんな悩みを抱えている人は少なくないと思います。ここでは、整理収納アドバイザーとして多くの家庭をサポートしてきたおまいさんに、自身の経験も基に、「片付けが苦手」というコンプレックスを軽くする方法を語ってもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)人からのなに気ない一言に落ち込んでしまう…
たくさんの片付けに悩む方のサポートをする中で気づいた、「片付けが苦手」な気持ちを少し軽くする1案を紹介します。
たとえば夫が仕事から帰ってきて、家を見た瞬間に「汚い…」とつぶやいたとします。
片付けが苦手な場合、ここでイラッとしたり悲しくなったり、「家事して育児してヘトヘトなのに、一体どういうつもりなの? 私が家事をちゃんとやっていないとでも思っているのかな? 育児の大変さを全然分かってくれていない!」と、怒りがこみ上げてくるんですよね。
でも、同じ言葉でも人や状況によって受け取り方はまったく変わります。
たとえば、自分がやせ型だとして、お菓子をたくさん食べているときに、夫から「おいおい太るで!」と言われても、きっと気にならないと思うんです。
つまり、相手がなにを言うかはよりも、自分のなかに『コンプレックス』があるかどうかで、受けとめ方は大きく変わるんですよね。
専業主婦時代に抱えていた「恥ずかしさ」
私は昔、料理にコンプレックスを抱えていて、当時はよく怒ったり落ち込んだりしていました。
チャーハンをつくって夫に「今日、味濃いな」って言われたときは、「私はチャーハンすらまともにつくれないのか…」とショックを受けていました。
母は料理上手だったし、自分もやればできると思い込んでいた分余計に、料理ができない自分のことを、認められなかったんだと思います。
でも、ある日思いきって夫に弱みをさらけ出しました。「私、料理どうしても苦手やねん。味つけもうまくいかなくて。食に興味ないのか、献立も思い浮かばない。料理のこと考えるのがつらい。」と。
当時は専業主婦だったので、『料理もできない残念な妻』という恥ずかしい気持ちでした。
自分を責めていたのは「自分自身」だった
すると、長い月日のなかで少しずつですが、夫が休みの日のお昼に焼きそばやチャーハンをつくってくれるようになったんです。私も「うわ、私がつくるよりおいしいやん!」って喜んでいたら、レシピを調べてほかの料理もつくってくれるようになりました。
夫も料理が得意ではないので、よく失敗しますし、「今日の味付け失敗した! 微妙やわ(笑)」と試行錯誤を重ねています。
それから次第に、私の捉え方も変わってきました。
味つけを失敗した日も「ごめん! なんか薄かったわ。適当に足して食べて(笑)」って軽く言えるようになったし、旦那に「味濃いな」って言われても「あ、お酒飲みながらつくったからかも(笑)ごめんごめん」と返せるようになりました。
完璧じゃない自分を認められるようになったら、夫の言葉はただの『感想』にしか聞こえなくなったんです。そのとき、じつは夫に責められていたわけではなく、自分で自分を責めていたことに気が付きました。