「水だけで汚れが落ちる」と人気のメラミンスポンジ。便利な一方で、素材を選ばずに使ってしまうと、かえって傷がついたり、素材の劣化を進めてしまう危険性があります。そこで今回は、メラミンスポンジを使ってはいけない場所と、代わりに取り入れたい掃除術について、クリンネスト1級のあささんが解説します。
すべての画像を見る(全6枚)メラミンスポンジは、使う場所に要注意
掃除用品売場や100円均一など、さまざまな場所で購入できるメラミンスポンジ。硬い網目状の構造を持つメラミン樹脂でつくられた研磨材の一種で、細かい無数の網目がヤスリのような役割を果たし、軽くこするだけで汚れを削り取ることができます。
研磨しながら汚れを落とすため、やわらかい素材や傷つきやすい場所など、適さない素材に使用するとダメージを与えてしまいます。
使用NGの場所(1):鏡やガラス
鏡やガラスは水アカがつきやすく、とくに浴室の鏡につくウロコ状の水アカは普通のスポンジでこするだけでは落とせません。
だからといって、メラミンスポンジを使うと、細かいこすり傷が残って白っぽく、くもったようになってしまいます。透明感が失われるだけでなく、そこに水滴が残りやすくなり、さらに汚れやすくなります。
●正しい掃除方法
水アカにはクエン酸水スプレーが有効です。クエン酸小さじ1と水200mLを混ぜたクエン酸水をスプレーボトルに入れて水アカが気になる場所に吹きつけます。少し放置したあとふき取ると効果的です。
仕上げにはマイクロファイバークロスを使うと、ふき筋が残らずクリアな仕上がりになります。
使用NGの場所(2):ステンレスのシンクや蛇口
シンクや蛇口などの鏡面仕上げのステンレスや、人工大理石のワークトップに使うと、細かい傷がついてツヤ消しのようになり、輝きが失われてしまいます。
●正しい掃除方法
中性洗剤をスポンジでなじませて洗ったあと、重曹と食器洗い洗剤を混ぜた重曹ペーストでクルクル磨くと汚れが落とせます。最後に濡らしたクロスでふき取ります。
使用NGの場所(3):浴室のドアや浴槽
浴室のドアや浴槽など、プラスチックでできている部分、コーキング部分にメラミンスポンジを使うのは避けましょう。細かい傷がつくことで、その溝に汚れや石けんカスがたまりやすくなります。
それらがカビの原因となり、カビによる着色で黒ずみが落ちにくくなることもあります。
●正しい掃除方法
中性洗剤と柔らかいスポンジを使うのが基本です。汚れが強い場合は、泡立ててしばらくおき、汚れをゆるめてからこすると効果的。
カビが発生している場合は、塩素系漂白剤を使い、カビの菌ごとなくします。塩素系漂白剤をよく洗い流したあと、残ったカビの残骸は、やわらかいスポンジなどでこすると落としやすいです。