日々報じられる高齢ドライバーによる事故のニュースに、不安になることも。75歳以上の高齢ドライバーが運転免許を更新する際に義務づけられている「認知機能検査」は、自身の安全運転を守るだけでなく、社会全体の交通事故リスクを軽減するためにも非常に重要な取り組みです。ここでは、「認知機能検査」を中心に、75歳以上のドライバーが免許更新時に受ける必要がある各種検査や講習について、NPO法人 高齢者安全運転支援研究会が徹底解説します。
すべての画像を見る(全3枚)高齢ドライバーの免許更新に必要な手続きとは?
75歳以上のドライバーが運転免許を更新する際には、以下の手続きが義務づけられています。
1.「認知機能検査」の受検
2.「高齢者講習」の受講
さらに、過去3年間に特定の交通違反歴がある場合は、「運転技能検査」の受検も必要となります。
これらの手続きの詳細や受検・受講の順序は、お住まいの都道府県によって異なる場合がありますので、ご自宅に届くお知らせ(ハガキ)の案内をよく読み、早めに予約をして更新手続きを進めることが大切です。
「認知機能検査」とは?その後の流れも解説
認知機能検査は、75歳以上のドライバーが免許を更新する際に必ず受検が必要な検査で、記憶力や判断力を測定するための問題が出題されます。
検査にかかる手数料は1050円ほど(標準額)。
また、認知症に関する医師の診断書を提出することで、検査を代替することも可能です。
検査の結果は「認知症のおそれなし」または「認知症のおそれあり」に判定され、「おそれなし」の場合は運転免許証の更新手続きに進みますが、「おそれあり」の場合は公安委員会が指定する医師の診断、または主治医等の診断書が必要となります。
そして、医師の診断を受けた結果、認知症と診断された場合は運転免許証の取り消し等の措置が取られます。
認知症でないと診断された場合は、運転免許証の更新手続きに進むことができます。
なお、この検査は繰り返し受検することが可能です。
「高齢者講習」とは?内容と免除されるケース
高齢者講習も、75歳以上のドライバーが免許を更新する際に必ず受講が必要な講習です。
講習内容は実車指導、講義、運転適性検査で、手数料は6450円ほどです(標準額)。
また、運転技能検査の受検者や、原付・二輪・小特(小型特殊自動車)・大特(大型特殊自動車)免許の方は実車指導が免除されることがあります。
なお、この講習も繰り返し受講することが可能です。
過去3年間に特定の違反歴がある場合に義務づけられる「運転技能検査」って?
75歳以上のドライバーで、過去3年間に「一定の違反歴」がある場合は、「運転技能検査」の受検が義務づけられます。
これは、自動車教習所などのコース内で、実際に自動車を走行する内容の検査で、具体的には「指示速度走行」「段差乗り上げ」「右折・左折」「一時停止」「信号通過」などの課題があります。手数料は3550円ほど(標準額)。
この検査も、繰り返し受検することが可能ですが、更新期間終了までに合格しない場合は運転免許証が更新されません。
なお、原付・小特免許などは、希望によって継続可能な場合があります。