画廊と美術館での学芸員経験をもち、現在は美術エッセイストとして活躍中の小笠原洋子さん(76歳)。高齢者向けの3DK団地でひとり暮らしをしながら、月4万円の年金で生活しています。今回は、小笠原さんが「やめたら節約になった」と感じている4つのことについて語ります。

節約上手な小笠原洋子さん
節約上手な小笠原洋子さん(76歳)が、やめたこととは?
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財布は使わず、2種類のポーチで代用

ポーチを財布の代わりに

私は財布をもっていません。これまでは母の遺品の財布がまだ新しかったので、それを使ってきました。近年さすがにぼろぼろになったので、購入しようと探しにいきましたが、革製の財布は、私にとってはとても高価。あとずさりして帰りました。

帰途、お金をどう持ち歩けばいいものか考えました。思いついたのがポーチ。化粧品など小物を入れる袋には、大きさや形や素材の違いなど、多種のタイプがあるだけに、探すのが楽しくなりました。選んだのは、手織り風の布製で膨らみのないタイプでした。しかし布は劣化しやすいので、お出かけ用にまわし、普段使いはこれまで旅行などに持ち歩いた、中身が見えるメッシュタイプ。意外に頑丈で便利です。

食器は収納スペースを固定し、必要以上に増やさない

食器を収納するスペース

次に私が買うのをやめたものは食器です。なるべくシンプルな生活空間で暮らしたかった私は、あまり使わないのにあちこちに収めていた食器を、まとめて知人に譲りました。そうしたことで、所有すべき食器数が限定され、それ以上は増やさないためにも1か所のミニマムスペースに収納することに。

その後は、たくさんあれば食事が楽しくなる食器であっても、節約志向を優先して買うこともなくなり、割れても買いたすこともしなくなりました。あるがまま。それが私の理想だったからです。

修行僧のように5つほどの食器をメインに、大事に食を営む私の暮らしには、わずかな食器が似合っているように思っています。