非常用トイレで災害関連死も防ぐ

災害時の最も深刻な問題のひとつがトイレです。避難所には多くの人が殺到するため、過去の震災では発災後数日でトイレが汚物にまみれることもありました。不衛生なトイレは、災害関連死の入り口になっています。トイレの回数を減らそうとして水や食料の摂取を控えることが、健康を害することにつながります。

災害関連死を防ぐには、非常用トイレを十分に備えるとともに、排せつ時のプライバシーを守る工夫も大切です。

非常用トイレ(携帯トイレ)とは?

非常用トイレとしておすすめしたいのは安価で持ち運びが便利な携帯トイレです。袋と凝固剤や吸水シートがセットになっており、洋式便座にとりつけて使用します。排せつ後は防臭袋に密封して処理します。備蓄の目安は、1日約7回×家族の人数×1週間です。

●簡易トイレのつくり方

簡易トイレ1
すべての画像を見る(全4枚)

(1) 折りたたみイスの座面を、2cmほど残して四角く切り抜く。

簡易トイレ2

(2) 黒のビニール袋(45L)をかぶせる。吸水シート、凝固剤、ペット用トイレシート、紙おむつ、新聞紙などを入れる(なければそのまま)。

●簡易トイレの使い方

(1) ポンチョなどを着て体を隠すと、プライバシーが守れる。

(2) 用をたしたあとは、ビニール袋の空気を抜いて口をしばり、防臭袋などに入れる。

●水分摂取を控えるのはNG

避難所のトイレに行きたくないという理由で水分を控えてしまうと、脱水症状になる可能性があります。その結果、口が乾いて口腔内の細菌が繁殖しやすくなり、肺炎などを発症する場合があります。水分を控えることは絶対にやめましょう。

タイチョーさんの著書『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』(KADOKAWA刊)は現在発売中。地震・台風・豪雨が起こった際の対処法のほか、避難所生活をできるだけ快適にするノウハウなど、防災に役立つ情報がたくさん掲載されています。

大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典

大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典

Amazonで見る