50代を迎えると、改めてこれからの暮らし方を考える方も多いのではないでしょうか。「いらないものを手放して身軽に暮らしたい」「老後のために家計を見直そう」…。そんな気持ちに応えてくれるのが、少ないもので豊かに暮らす「ミニマルライフ」です。「50代は、暮らしをミニマルにする絶好のタイミングです」と話すのは、60代のミニマリストでカナダ在住のブロガー・筆子さん。今回は筆子さんの「ミニマリストになってよかったこと」をご紹介します。

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「探しもの」が減って、暮らしやすくなった

ミニマルな暮らしの最大のメリットは、必要なものを欲しいタイミングでさっと取り出せることです。

ものがたくさんあると、所持品を把握できません。どこに何が、どれくらいあるのかわからなくなってしまいます。そうすると、今すぐ使いたいものが見つからず、あちこち探し回るはめに。

しかも、ものだらけだと探すのが大変です。箱やケースを引っ張り出して、中身を引っかき回せば、あと片付けも苦労します。ものを使うのに、いちいち時間、体力、精神的エネルギーを無駄に使ってしまうわけです。

私はもっているものも収納した場所も、ほぼ把握しています。家に何があるのか、わからないことはありません。ミニマリストになって、必要なものを探す手間から解放されました。

すぐに作業に取りかかれる

所持品が多いお宅にあるダイニングテーブルやキッチンのカウンターは、たいていもので埋め尽くされています。ソファやベッドの上に、関係ないものをいろいろと置く人もいるでしょう。

こうした場所にものをたくさん積み重ねていると、食事や仕事、勉強など、本来やりたい作業をする前に、ものを端に寄せる、取り去る、片づけるという作業をしなければなりません。

なかでも、ダイニングテーブルは毎日のように使う場所だから、本来したい作業の前に片づける必要があります。片づけるたびに時間がかかるし、モチベーションダウンの原因にもなります。

リビングがものだらけで、お客さんが来る前に大あわてで片づける人がいます、床に散らばっているものをすべて拾い上げて隣の部屋に投げ込み、ドアやふすまを閉めて、見える範囲だけすっきりさせて安心するのです。

余計なものを持たなければ、こんな疲れることをしなくてすみます。

管理する手間がなくなり、ストレスが減る

何かを所有すると、それを管理する手間が発生します。洋服ならば、しまう場所を見つけて、たたんだり、ハンガーにかけたりして収納します。洗って日に当て、クリーニングに出し、衣替えをすることも。虫に食われないように防虫剤を用意する必要もあるかもしれません。

服の数が増えすぎたら、新たな収納スペースを見つけたり、収納家具を買ったりもします。こうした管理に時間、手間、お金がかかります。

いつも使っているものなら管理のしがいがありますが、使っていない不用品でも、いったん所有すると手放すまでなんらかの管理が必要です。

それを怠ってすべて放置していると、あとでまとめて捨てる羽目になる、自分が死んだあと、遺族が苦労して処分するといったツケを払わなければなりません。

余計なものを早めに処分すれば、無駄な作業をしなくてすむのです。

部屋が広くなり、生活しやすくなる

不用品を捨てれば、今より部屋が広くなります。もう収納しなくていいので収納家具も処分でき、広々としたスペースを確保して、とても生活しやすくなります。

部屋が広々とすると、年齢を問わず、その日から生活しやすくなりますが、とくに高齢者には恩恵があります。65歳以上の人の怪我の原因でいちばん多いのが転倒です。老化により筋力が衰え、平衡感覚が鈍くなり、転びやすくなるのです。

室内にものが多すぎて動きにくかったり、家具にぶつかったり、コードに足を引っかけたり、床に落ちているものにつまずいたりして転びます。

ものが少なければ、家の中でも安全に過ごしやすくなりますし、万が一、地震に遭ったときの被害も最小限に抑えることができます。緊急事態でも、最短距離で逃げることができるのです。