脳が疲れると、人間関係も不穏なものに…

脳は疲れやすく、イライラしやすく、ほんのちょっとのことで落ち込みます。疲れやイライラはどうしても表情や態度に出るので、周囲にかすかな不安や不快感を与え、ちょっとした言葉をかけてもらえなくなったり、ランチに誘ってもらえなくなったり、会議で発言をスルーされたり、という事態をつくり出します。

「デキる同僚」に嫉妬してしまうときというのは、意外にも、仕事で明確に「負けた」ときではないはず。彼女や彼が、上司にかわいがられ、後輩にも慕われているように見える、つまり周囲に大切にされているのを見たりしたときなのでは?

となると、その嫉妬も、そもそも、自分の脳が「疲れやすく、イライラしている」せいで、周囲が遠巻きにしているだけかもしれません。

●「タンパク質」中心の食生活でごきげんに

そこから脱するための食事術は、なんといっても「炭水化物」中心の食生活から、「タンパク質」中心の食生活に変えていくこと。

とくに空腹時に「ほぼ炭水化物だけの食事」(トーストだけ、おにぎりだけ、うどんだけ)や、甘いものを食べることは禁止。これは血糖値を急上昇させる行為です。血糖は脳のエネルギーなので、一瞬だけ脳は元気になりますが、ほどなく身体が血糖値を下げようとインスリンを大量に分泌し、今度は血糖値が急激に下がります。

すると脳のエネルギーが不足するため、だるさややる気の減退、イライラを引き起こすのです。しかも、低血糖に陥ると、脳は甘いものを要求してきます。

つまり、疲れたら甘いもの→30分は元気→その後だるくなって、やがてキレそうになる→甘いものが食べたい→疲れたら甘いもの…という「甘いものループ」にはまってしまうのです。

しかも、身体は血糖値を下げるときに、中性脂肪が増えているんですよ。つまり、「朝は炭水化物だけ&日中ちょこちょこスイーツ」という生活は、十年で十キロ増、なんていう「経年肥満」をつくり出します。

というわけで、今日から積極的に「タンパク質」を食べましょう。朝ごはんの主役は、卵、大豆製品、乳製品、肉や魚などに。野菜と果物も外せません。

もちろん、パンやご飯も添えてOKですよ。炭水化物は抜かなくてもいいのです。ただし、「いきなり、それだけ」は避けること。そして、白米よりも雑穀米、白いパンより全粒粉のパン、うどんより蕎麦やパスタ(デュラムセモリナ粉)を選ぶだけで、より血糖値を急上昇させない効果があります。