支えてくれる家族とともに

現在、まさこさんの日常には、介助者の存在が欠かせません。体に力が入らないため、移動する際は全身を支えたり、座るときは足を心地よい位置に整えたりことも大切です。

妹の統子さんとまさこさん
「ずっと支えてもらってきたお姉ちゃんを今度は私が支える番」と妹の統子さん
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夫の賢介さんとともにその役を担っているのが、妹の統子(みちこ)さん。まさこさんの病気を知ると、すぐに愛知から福岡へ転居を決め、まさこさん宅の近くに引っ越しました。

統子さんは、まさこさんの強い願いのひとつである「未来にレシピを伝えること」を託されているひとりでもあります。

未来へ残したいレシピ

まさこさんのレシピ
ノートやスマートフォンに少しずつ書きためてきたレシピ

まさこさんの今の強い願いのひとつは「未来にレシピを伝えること」。喫茶店のメニューや日々の献立を子どもたちや多くの人へと託せるよう、本にまとめるのが現在の目標なのだそう。

ALSを発症する前、まさこさんはだれかに助けを求めることが苦手だったといいます。しかし今、最も大切だと感じているのは「人に助けられることをためらわない」ということ。

まさこさんとママ友
レシピの再現のため、集まってくれたママ友たち

「自分の殻を破って『助けて』を口にしてみたら、手をさしのべてくれる人がこんなにたくさんいることに気がつきました。それだけじゃなく、人は頼り、頼られることで、お互いのなかにやさしい気持ちが膨らんでいくことに気づけたんです」

自分らしく生きることが、だれかの希望になるように

まさこさん
「どこかでだれかの心に、そっと寄り添うような希望になれたら」とまさこさん

SNSで病気を公表したときから、まさこさんはSNSの投稿の文末に、「#何処かで誰かの希望となりますように」との一文を添えています。

「病気に限らず、きっとだれもがそれぞれに苦しみや悩みを抱えながら生きていますよね。そんなとき、病と生きる私の日々を伝えることで、『自分もなにかやってみよう、できるかもしれない』って、だれかの希望の光になれたらいいな、と考えて、この言葉が生まれました。そしていま、『だれかの希望になるように』と願いながら生きることで、私自身が前を向く力をもらっているのだと思います」

まさこさんの連載「難病ALSとともに生きる」が天然生活webでスタートしました。ALSとともに生きながら、一日一日を大切に生きているまさこさんの日々の暮らしや思い、そして未来に届けたいレシピなどをつづったエッセイです。ぜひご覧ください。

天然生活web「難病ALSとともに生きる/まさこ」