ペットのための災害への備え
すべての画像を見る(全10枚)ペットの災害の備えについて、日頃からやっておきたいことを6つ教えてもらいました。
●1:月イチは“訓練デー”に
辻家では定期的に猫の防災訓練を実施。フードを袋のまま置いておき、猫自身が袋を噛(か)み切って食べる状況をつくっているそう。「誤嚥(ごえん)を心配する人もいますが、噛み切った小さなアルミ片はちゃんと吐き出します。ペットには生きる力が備わっているんです」
●2:ケージ&キャリーに慣れさせておく
同行避難をした場合はもちろんですが、「ペットを安全なところに移動させる」という状況に備えるため、キャリーやケージに慣れておくことは必須。
「キャリーを“落ち着く場所”として認識してもらえるよう、日頃からリビングなどに置いておくといいでしょう」
●3:ストックは3か月分を目安に
「被災して流通経路が閉ざされたら、ペット用品が買えるようになるのは最後の最後だと覚悟して」と辻さん。
そのため、エサとペット用の水は人間用の備蓄よりも長く、3か月分を用意しておきたい。ペットシーツや猫砂などのトイレ用品も忘れずにストックしておくこと。
●4:マイクロチップや迷子札をつけておく
災害発生のパニックから逃げ出してしまう子も。行方不明対策として、マイクロチップや迷子札は必ずつけておきましょう。
「東日本大震災、熊本地震ではマイクロチップや迷子札がついていなかった犬猫で、飼い主の元に戻った子はほぼいませんでした」
ペットの写真や緊急連絡先、ワクチン接種状況などの情報を備えておくとよいでしょう。
●5:ペットがいることを近所に知ってもらう
犬好き、猫好き同士のコミュニケーションが、いざというときの助け合いネットワークにもなります。
「被災していない仲間に預かってもらえるかもしれませんし、ペットも含めて顔見知りになっておくと、逃げてしまったときの情報収集にも役立ちます」
●6:いろいろなフード、水、トイレに慣れさせておく
口に入れることと体から出すことは、命と直結する大問題。
「猫に軟水を飲ませている飼い主さんも多いですが、避難生活では入手できないこともあります。また、救援物資で届くエサの銘柄は指定できません。なんでも食べられて、どこでも排泄できる子になっていてほしい」
『最強防災マニュアル2025年版』(扶桑社刊)は発売中。大切なペットを守る防災テクのほか、辻さんが準備している防災ポーチ・防災リュックの中身、気軽に実践できる地震対策など、今知りたい情報がたくさん紹介されています。
