ドラマや映画は“鏡”。自分の反応も含めて楽しんでほしい

鶴田真由さん
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今年の秋には写真を撮るために兵庫県・沼島と滋賀県・奥琵琶へ旅行したという鶴田さん。自分のためのインプットやリフレッシュの時間をしっかり持っているからこそ、俳優としても確かな存在感を発揮できるのかもしれません。

12月8日から放送・配信される「連続ドラマW 誰かがこの町で」は、埼玉県の新興住宅地「福羽(ふくは)地区」を舞台に、集団による同調圧力の恐ろしさを描いた社会派ミステリー。鶴田さんは、横浜で法律事務所を構える弁護士の岩田喜久子を演じています。物語のはじまりは、大学時代の友人の娘を名乗る若い女性が、喜久子のもとを訪ねてきたことから。「家族を探してほしい」という彼女の依頼を契機に、「安全で安心な町」を掲げる新興住宅地で、かつて少年誘拐致死事件が起こっていたことが明らかになっていきます。

場面写真
『連続ドラマW 誰かがこの町で』より

喜久子の役を演じる上で軸になったのは、彼女が「ある過去と向き合う決心をする」ということ。

「友人の娘が現れ、江口洋介さんが演じる調査員の真崎の調べによって、過去の事件がだんだん明るみになっていく。そのなかで、彼女は『もう逃げられない』と腹をくくったのだと思います。過去としっかり対峙し、自分が背負ってきたものを清算しようと。その覚悟をした瞬間が役の鍵になりました」。

物語の舞台となる「福羽地区」は、安全なまちづくりを目指すあまり、厳しいルールを住民にも強いている町。違和感を感じつつも、家族やマイホームというしがらみによって、異を唱えることのできない登場人物に感情移入する人もいるのではないでしょうか。

「ドラマや映画って、鏡だと思うんです。そのとき自分が置かれている状況や心理状態によって、物語のどの部分が響くかが変わってくる。その種みたいなものが、このドラマにはたくさん散りばめられていると思います。『自分はこういうところに共感した』『ここが恐ろしかった』という感覚が、すなわち今の自分だと思います。そういう自分の反応も含めて、楽しんでもらえたらうれしいです」

【『連続ドラマW 誰かがこの町で』】

佐野広実の同名小説を実写化。2001年、埼玉県の新興住宅地・福羽地区で6歳の少年が殺害される。事件から23年が経ち、弁護士・岩田喜久子(鶴田真由)のもとに大学時代の友人・望月良子(玄理)の娘、麻希(蒔田彩珠)が訪ねてくる。喜久子の指示で調査員の真崎雄一(江口洋介)は、かつて望月一家が暮らしていた福羽地区へと向かうが……。

12月8日よりWOWOWで放送(日曜22時〜)。WOWOWオンデマンドでは第1話の放送・配信後に全話を一挙配信。また、WOWOW公式YouTubeにて、第1話を無料配信中です。

【1話無料配信中】

※配信期間:2025年1月14日 17時まで

出演:江口洋介 蒔田彩珠
鶴田真由 宮川一朗太 尾美としのり 玄理 戸次重幸 本田博太郎 でんでん 大塚寧々
原作:佐野広実『誰かがこの町で』(講談社文庫)
監督:佐藤祐市 脚本:前川洋一 音楽:木村秀彬
企画・プロデュース:青木泰憲 プロデューサー:廣瀬眞子 水野綾子
制作協力:共同テレビジョン 製作著作:WOWOW