年齢を重ね、これからの人生をどう生きていくかーー。旅はそれを考える絶好の機会でもある、と話すのは、旅好きで知られる俳優の鶴田真由さん。この冬放送・配信の『連続ドラマW 誰かがこの町で』(WOWOW)にも出演します。ここでは、ひとり旅の魅力とドラマの見どころを語ってくれました。
すべての画像を見る(全5枚)カメラを持っていくだけでも、旅先の風景が違って見える
子育てや仕事も一段落し、そろそろ自分のための時間をつくりたい…と考える人も増えてきたESSE世代。ひとり旅にも挑戦したいと思いつつ、なかなか一歩を踏み出せないという人も多いのではないでしょうか。
旅好きで知られ、これまで50か国以上を旅してきたという鶴田真由さんが、そんな人に向けてアドバイスするのが、「目的をもって旅に出る」こと。
「カメラを1台持っていくだけでも、漠然と見ていた景色が変わると思うんです。ふだんは光なんて気にとめなくても、『今、光がきれいだからシャッターを押したい』と思うかもしれないし、ノートとペンを持っていたら、心に残ったことを書きとめるために、『私はなにを感じているんだろう?』と自分と対話すると思うんです。そんななかで自分の心とリンクするような景色に出合えたり、そのときの自分にぴったりの言葉をかけてくれる人と出会えるかもしれない。思いきって行動することで、そうした出来事も起きると思うんです」
ただしせっかく旅に出ても、自分の心を閉ざしたままでは、うれしい出来事に気づかないままの可能性も。
「ひとりだからと不安がっていたら、せっかくかけてもらった言葉も入って来ないですし、美しい景色にも気づけないかもしれない。だから、いかに自分を開いて、柔軟に感じ取れるかが大事。たとえばお寺へお参りにいくにも、御朱印だけもらって帰ってくるのはもったいないですよね。それよりもお寺の空気感を味わって帰ってきた方が、心に響くものに出合えます。最初に訪れた場所の景色をずっと見ていたいと思ったら、その後の予定はキャンセルして、そこにとどまるのもいいですね。旅にはそういう余白をもっていくのがいいのではないでしょうか」
ひとり旅をきっかけに家族に優しくなれる
読者世代のなかには、ずっと育児や仕事で忙しく過ごしてきたせいで、本来の自分がなにを好きなのか、分からなくなっている人も。そんな人も、旅をきっかけに自分の感覚を取り戻せるのではないかと鶴田さんは話します。
「家族に依存するよりも、自立していた方が夫とも子どもともお互いに優しくなれるでしょうし、リスペクトも生まれると思います。子どもが独立したあと、自分はなにがしたいのか分かっていないと、きっとつらくなってしまうと思うので。せっかくなら、旅を次の年代のための準備期間として活用するのもひとつの方法だと思います」