快適な住まいは、年齢や体の状態で変わってきます。ここでは、老後のために暮らしをサイズダウンするための見直しアイデアを紹介します。要介護になったら今の家で暮らせないこともあるため、さまざまな可能性を考慮し、柔軟に対応を。資金のムダも防げます。教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんです。

“ついのすみか”は計画しておくことが大切
“ついのすみか”は計画しておくことが大切(※写真はイメージです)

なにもかもをリフォームしようとはしない

「せっかくだから」と、いろいろな場所のリフォームを一気に行おうとすると、出費がふくらむだけでなく、あとから後悔するおそれも。

「必要性の高いものから、少しずつ着手を。予算が効率よく使えるだけでなく、最初に頼んだ業者が気に入れば次も依頼できますし、逆の場合、別の業者に代えられます」

●介護リフォームは、先回りしないこと

手すりやスロープなどの介護リフォームは、要介護になってからの方が体の状態に合わせられて失敗がありません。

「介護リフォームをしたものの、高齢者施設に移って使わなかったケースも。介護リフォームずみの家は売却しづらくなるので、先回りは禁物」

自治体の補助を確認せずに着工しない

リフォームを決めても、すぐ工務店に相談するのはNG。断熱や耐震、バリアフリーなどのリフォームには、国や自治体から助成金が出るケースがありますが、着工前に手続きが必要。また、指定する業者で行うのが条件の自治体もあります。

「リフォームを決めたら、まずは助成金の有無や条件を役所やネットで確認しましょう」

●税金が軽減されるリフォームもチェック!

耐震やバリアフリーなどの工事には、所得税や固定資産税が減税される制度もあります。

「所得税減税は確定申告、固定資産税は都道府県・市区町村への届け出がそれぞれ必要なので、忘れずに手続きしましょう」

賃貸住まいは情報収集を怠らない

老後、賃貸住宅に住む場合、高齢の一人暮らしや保証人がいない人に大家が部屋を貸し渋るケースは少なくありません。

「安心して過ごすためには、情報収集が不可欠。保証人不要の『UR住宅』、政府が主導する、高齢者や低所得者などの入居を拒まない『セーフティネット住宅』なども増えていますからネットなどで調べてみましょう」

ケアハウス希望なら今から見学してみる高齢期の一人暮らしが不安な人は、60歳以上の人が入居できる「ケアハウス」も要チェック。

家賃、食事、管理費込みで、月7万~16万円程度で暮らせます。「住みたい地域の施設を調べて、見学に行っておくと安心です」