少しでも元気なうちに持ちものや家具の整理を進める“老前整理”。重たい食器や古い保存容器などがかさばりがちなキッチン周りも、早めに片づけておきたい場所のひとつです。ここでは、著書『66歳、まずやってみる。人生を愉しむシンプル暮らし』(扶桑社刊)より、築40年の一軒家に夫と息子と3人で暮らす、66歳のシンプル暮らしの達人・pocohahaさんの食器やカトラリーの選び方、収納方法などについて、抜粋してご紹介します。

引き出し
カトラリーはシステムキッチンの引き出しに収納。数が少ないので、なにを持っているか一目瞭然です
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カトラリーは最小限に、食器の色は揃える

以前はたくさんのカトラリーを持っていましたが、現在は来客用をほとんど手放して、家族の分だけの必要最小限に近い数になりました。

整理したきっかけは、長年使っていた銀製のカトラリーが重くて使うたびにストレスを感じるようになり、軽量タイプに総入れ替えしたことです。「年齢を重ねるにつれて、重い服やバッグが苦手になっていく」とよく言われますが、毎日使うカトラリーも同じかもしれません。

収納方法は、カトラリーが動かないように抗菌滑り止めシートを敷いて、その上にただ並べて置くだけ。数が少なければ、置くだけで整って見えるから不思議です。

また、浅い引き出しに収納することで、自分がなにをいくつ持っているか一目でわかるようにしています。

食器選びは色と使いやすさが決め手

食器の数は、近所で暮らす娘家族に料理のお裾分けをすることもあるので多めですが、色を白と藍色に統一しているので、すっきり見えると娘からも好評です。

私は食器が好きで、昔はウェッジウッドやロイヤルコペンハーゲンのティーカップをコレクションし、親から譲られた備前焼や伊万里焼、織部焼の器を長年大切に使っていました。

しかし、年齢を重ねるにつれて、手を滑らせて食器を割ってしまうことが増えたので、「もっと気軽に使えるものにしよう」と徐々に近所で購入できる食器に買い替えていき、現在はブランド名より色に惹かれて選ぶことが多いです。

引き出物でいただいた自分の趣味と合わない食器は潔く手放し、本当に気に入っている食器、よく使っている食器だけを残しました。

70代になったら食器を洗うのも管理するのも更に大変になるので、これからもっと減らしていこうと思っています。

保存容器は、iwakiの耐熱ガラス製のものや、陶器または琺瑯のものを愛用中です。私は酢の物をよくつくるので、酸性の食品に強い素材の容器を使うようにしています。以前はプラスチック製の保存容器も持っていましたが、使っているうちに着色汚れやキズが目立ってきて、長期的な使用には向いていなかったので、古くなったタイミングで手放しました。耐熱ガラス製ならフタだけ取り替えればいいので、長く愛用できて無駄がありません。