海外の高齢者施設の様子を紹介します。案内するのは、高齢期の住み替え資金アドバイスを行う「高齢期のお金を考える会」を主宰するファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん。韓国、フランス、アメリカのハワイ州の高齢者施設を見学してきました。
韓国の高齢者施設の入居一時金は高額だが全額が返金
すべての画像を見る(全8枚)「チョンセ」(※1)がある韓国で見学したのは、入居一時金(退去時に戻る)3640万円(※2)、月額利用料26万円の住宅型老人ホーム。利用料には、月の半分、45食分の食費も含まれています。
病院が運営していて、地下から病院に行き来できる安心&便利な点が人気でした。施設内にはカフェも。
1 家を借りるときに多額の保証金を支払い、家主がそのお金を運用して利益を得て、退去時に保証金を返す制度
2 1ウォン=0.1円と仮定した場合
別に見学したデイケアセンター。デジタル化が進む韓国では、リハビリのための遊びもコンピューターで行います。
フランスには認知症の入居者が自由に暮らせる村がある
自然豊かな敷地に、1棟に6~7人が暮らす戸建てタイプの居住棟のほか、食堂やスーパー、美容院などを配置した「アルツハイマー村」。認知症の居住者たちは自由に歩き回り、自分のペースで暮らしていました。
入居者とスタッフ数がほぼ同数の手厚い介護は、国営施設ならでは。費用は基本月2000ユーロ(約32万円※)ですが、収入が低い人は月223ユーロ(約3万5700円)と格安ですみます。
1ユーロ=160円の場合
居住者の足を衰えさせないために、自然の地形を残してゆるやかな坂道を造成しています。
居住棟には共同キッチンも。
「家に帰りたい」と言う居住者には、電車風の箱に座ってもらい、DVDで車窓の風景を流すと、気持ちが落ち着くそう。
アメリカ・ハワイ州は自立した高齢者向けの高級ホーム
ハワイにある月契約の住宅型有料老人ホーム。施設内にはプール、ジム、シアター、図書館などもあり、設備が充実。
自立で入居し、介護が必要になると介護棟に移れます。地価が高いホノルルでは1億円以上の家が珍しくなく、家の売却益で月60万円の利用料が支払える年数を逆算して入居する人が多いそうです。
施設の食事。高齢者でも食べやすいように、やわらかく調理してありました。
『これからの暮らし by ESSE vol.06』では、今回紹介した以外にも、60代以上の暮らし上手さんの「ものの持ち方 手放し方」、後悔しない「終の棲家(すみか)」の選び方、若々しい肌&体をつくる「整え」美容、村上祥子さんの 冷凍パックごはんなど、暮らしに役立つ情報が満載です。