閉経前後に訪れる、心身ともにゆらぐ更年期。対処法を知って、女性ホルモンのアップダウンによる波を上手に乗りこなしましょう。産婦人科専門医の高尾美穂先生、鍼灸院院長の柳本真弓先生、アロマセラピストの藤田めぐみさん、料理研究家の金丸絵里加さんに、更年期の上手な乗りこなし方を教えてもらいました。今回は「更年期をラクにするセルフケア」編です。
病院に行くまでもないけど不快な更年期の症状。セルフケアで解決!
すべての画像を見る(全2枚)病院に行くまでもない不快な症状をなんとかしたいときは、セルフケアが味方に。
●心と体の曲がり角、更年期は自分を見直す時期
健康診断を定期的に受けることを大前提としたうえで取り組んでほしいのが、自分をいたわるセルフケア。
「これまで自分のことをあと回しにして、ひたすら走ってきた人も多いはず。でもこれからは走るスピードをゆるめ、自分の体に目を向ける時期。基本的なことですが、毎日の食事、運動、睡眠が体をつくります。生活習慣を見直し、心と体を前向きにしましょう」(高尾先生)
今日から始めよう!セルフケア4つの提案
だれでも簡単に始められ、効果の高いセルフケアをプロに教えてもらいました。
●ヨガ・ながら運動
定期的に体を動かして健康的な体づくりを
更年期の諸症状をやわらげるといわれているのが適度な運動。「続けることが大事なので好きな運動ならなんでもOK。ヨガや生活のなかに取り入れやすい“ながら運動”など、こまめに実践してくださいね」(高尾先生)
●ツボ
ツボで「気・血・水」のめぐりをよくし、健康を底上げ
中医学では、生命力の源であり代謝やホルモンバランスに関わる“腎”の機能が加齢で衰えると不調が出ると考えられています。「体のバランスを整え、不調を和らげるのがツボの効用。冷えやすい女性の体の血のめぐりをよくし、体調を底上げする効果があります」(柳本先生)
●アロマセラピー
体に働きかける精油の香りで心身を前向きに
アロマセラピーは植物から抽出された精油を用いる植物療法。「五感のなかでも嗅覚は、情動や本能を司る脳(大脳辺縁系)をダイレクトに刺激。自分が好きな香りを生活に取り入れて、更年期で疲れ気味な心身を前向きにして」(藤田さん)
●食事
栄養も量もバランスのとれた食事がいちばん
自律神経が乱れやすい更年期。心がけてほしいのはバランスのいい食事。「それは栄養面だけでなく、食べる内容や量、タイミングも含めていえること。毎日の食事が体をつくるからこそ、体が求めるものを食べて内から整えて」(金丸さん)
ツボ押しやヨガ、アロマセラピーなどを行う場合、妊娠中やその可能性がある方、持病のある方は事前に医師と相談してください。また、試してみて痛みや不調があるときは、すぐに中断してください。
西洋医学に基づかない鍼灸やマッサージ、アロマセラピーは体質改善を目指すものであり、効果・効能には個人差があります