●「もう女として見てないでしょ」と本音を夫にぶつけた

夫が退院してすぐの頃は心臓に負担をかけちゃいけないのかなと思い、気遣いのつもりでそういう行為に誘わないでいたのですが、自分も閉経してしまって、夫婦の距離感がなんとなくつかめない時間が流れました。

もう女性の体じゃなくなっちゃったみたいだなと思うと寂しさも。メンタル直撃でした。結果的に私の性欲が薄れていったこともレスの原因になったと思います。
もう夫に女性として見てもらえないままだんだん年を取っていくんだなと、ふと夜中に目が覚めて泣いてしまったこともありました。だれにも相談できないし、どうしていいかわからなかったんですよね。

晩酌
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そんなある日、二人でお酒を飲んでいて、酔った勢いで「もう私のことを女として見てないでしょ」と夫に冗談っぽく本音を打ち明けました。そしたら即座に「そんなことないよ。立派な女性だよ」と言われて、救われた気持ちになりました。

私がけっこう真面目に悩んでいたことを夫は知らないのですが、これ以降も、忘れた頃にふと「愛しているよ」とか「大好きだよ」というセリフを伝えてくれるように。もしかしたら夫なりに完全レスになっている状況を気にしていたのかもしれません。

●性生活はだれかと比べるものではない

ベッド

まさかこういう形でレスに陥ってしまうなんて、若い頃は想像もしませんでした。けれど、だんだんと夫と暮らす老後の生活も見えてきて、このままでもいいかなと自分のなかで折り合いがつきました。

これがもっと若いときにレスになっていたら、外に目が向いてしまう可能性があるし、危機感を持ったかもしれません。でも、もう私も50代半ば。お互いに関係性が確立している今となっては、話し合いの必要性も感じません。

それに今も一緒にお風呂に入っていて、夫との夫婦仲は良好です。セックスはないけれど、愛し合えていることをちゃんと実感できています。
夫婦の性生活の話は、よその夫婦と比較するようなことではないし、私たちなりに寄り添い合いながら楽しく過ごしていければいいなと思っています。

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「夫婦生活は?」と義実家で責められる妻。夫も味方ではなかった:セックスレス・杏さんの場合1

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