●元気がないときは、カレーを食べます
すべての画像を見る(全5枚)夫には毎日、たくさんの薬を間違いなく飲ませなくてはいけないし、食事、着替え、トイレなどすべてに介助が必要。夜は大声を出す夫をなだめたり、何度も起こされて睡眠不足になることも。「体力的にも、精神的にも限界に近く、綱渡りのような毎日」と吉山さんは言います。
「気分が落ち込んだり、疲れたなーと思ったら、スパイスたっぷりのカレーを食べるんです。食べた後は体がぽかぽかと温かくなるし、心も体も元気がわいてきますよ。もしスパイスカレーをつくるのが面倒だったら、市販のカレールーを少し減らして、代わりにカレー粉をプラスするだけでも、味と香りが豊かになります。ぜひやってみてください」
●YouTuberになるという新しい夢
そんな吉山さんの心の支えは、自分が主宰するスパイス専門店「TAKECO1982」の存在です。
長年のライフワークだった料理教室は、今は夫の介護が大変なのでお休み中ですが、ときどきお店に出て、お客さんとお話をしたりすることで元気をもらっているといいます。
「お店は私の生きがいであり、一筋の光。もし夫の介護に追われるだけの毎日だったら、今頃きっとつぶれていたと思います」
吉山さんには、今、ひとつの新しい夢があります。それはYouTubeを使って、自宅で料理する様子を動画で配信すること。
「それなら、スタッフの力を借りながら、夫がショートステイに行っている間にできると思うんです。スパイスのすばらしさが世の中に広まること、スパイスでたくさんの家庭を元気にすることが私の夢。これからも、“スパイス人生”を歩んでいくつもりです」
80歳の吉山武子さんの暮らし、いかがでしたか? 詳しく知りたい方は、『80歳のスパイス屋さんが伝えたい人生で大切なこと』(KADOKAWA)をチェックしてみてくださいね。