夫はいちばん身近な家族で頼れる存在のはず。でも、もし夫の言動に違和感を感じ始めたら? 話題の漫画『ママはパパがこわいの? 夫の扶養からぬけだしたい〜ゆうかの場合〜』(KADOKAWA刊)をご紹介します。
仕事に復帰する妻と、おもしろく思わない夫。私は自信をもったらダメなの?
皆さんは、現在のパートナーと結婚しようと考えたきっかけや当時の気持ちを覚えているでしょうか?
「ともに幸せな家庭を築きたい」「いちばん自分を理解してくれる人はこの人だ!」「大好きな人と一緒にいたいだけ」などなど、夫婦の数だけ理由があるように思います。
今回ご紹介する『ママはパパがこわいの? 夫の扶養からぬけだしたい~ゆうかの場合~』の主人公・ゆうかにとっても、自分に尽くしてくれる優しい彼氏・てるおとの結婚はごく自然な流れでした。そして愛娘「もなか」を授かり、望んでいた幸せを手にした彼女。
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しかしだんだん、自分を手助けする際の夫の「ゆうかは俺がいないとダメだなぁ」の言葉にモヤモヤし、自分に自信をなくしていきます。そしてそれは娘にも伝わってしまっていて…。
本作は作者であるゆむい(@yumuihpa)さんの実体験を元にしたセミフィクション『夫の扶養からぬけだしたい』(同)の第2弾です。ワンオペ育児、日々の夫の心ない言葉で起きる夫婦のすれ違いを描いた専業主婦のももこのストーリーである『夫の扶養~』は、累計18万部を超える(電子版を含む)人気作となりました。
本作で日々少しずつ心をすり減らすゆうか、どこか闇を抱えるてるお。夫婦の姿がやわらかいタッチの絵柄と対照的でより胸に迫ります。「結婚」って「夫婦」って一体なんだろう?
●頼もしい夫に「養ってもらっている」?育児を契機に仕事を辞めたゆうか
結婚前から常に優しく、ゆうか第一で行動してくれたてるお。結婚してからもそれは変わらず、優柔不断で断るのが苦手なゆうかを常にサポートしてくれました。
ただ結婚後、その優しさを発揮しつつ、必ずゆうかを否定する一言を放ちます。訪問販売をはっきり断れない彼女に「ゆうかのそういう態度は相手をつけ上がらせるんだよ」「ゆうかは本当、俺がいないとなにもできない人間だね」。夫に優しくされるたび、ゆうかは傷つくのです。
てるおの言動は一般的に「モラハラ」のように感じられます。
しかし、結婚、出産を経て大好きな美容師の仕事を辞めてしまっていたゆうかは、自分に自信をなくしてしまっていました。また日々の育児に体力・メンタルともに削られ、自分のことを考える時間もありません。てるおの言葉に傷つきながらも反論できず、心が徐々にえぐられていくのです。