ハウスメーカーの研究、商品開発は日々進化しています。また、住まい手にとっても、テレワーク、家事の分担といった暮らし方の変化、省エネ対策、地震や台風といった自然災害対策は気になるところです。そこで編集部は、ハウスメーカー各社にアンケートを実施。その結果から見えてきた、これからの家づくりのキーワードをレポートします。
すべての画像を見る(全5枚)Q1 間取りや動線に関しての取り組みは?
A. ムダな動線のカット、お家時間を充実させるプランや、カーボンニュートラル時代に適した住まいの研究も!
家事負担を軽減するには、動線の工夫も押さえておきたいポイントです。「調理と洗濯の動線は、年間で約140㎞の距離の差になることもあります。そのため、家族のライフスタイルに合わせた『ムダゼロ動線』を提案」(パナソニックホームズ)など、一邸ごとに家事のしやすい動線計画が練られています。
また、コロナ禍でのライフスタイルの激変は、家に対する考え方にも影響が。「おうち時間の注目により、従来のLDKという概念にとらわれない住宅商品『ファミリー スイートおうちプレミアム』では、フィットネスなどこれまで自宅以外で楽しんでいたことを、家でも楽しめる提案を行っています」(積水ハウス)や、「部屋を自由に区切られる『可動間仕切収納』が、在宅ワークにも対応。
ほかにも、家族の成長に合わせて変化させられる『先読み設計』の提案も」(パナソニックホームズ)など、空間や間取りのつくり方がより柔軟に。また、コロナ禍における在宅ワークの定着により、「アフターコロナを見据え、職住融合の中で快適に暮らせる空間や間取りを研究」(ヘーベルハウス)という回答もありました。
地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)の排出量をプラスマイナスゼロにする、カーボンニュートラルへの動きが家づくりにおいても活発化。それを受けて「ライフステージに合わせて長く快適に暮らせる空間や間取りなど、カーボンニュートラル時代に適した住まいを研究」(ヘーベルハウス)しているメーカーも。
Q2 デザインに関しての取り組みは?
A. 優れた外壁材を用いて、表情豊かな外観をつくり出すことに注力。トータルなインテリアの提案も!
住まいの顔となる外観は、気になるところです。各社とも、優れた外壁材を用いて、表情豊かな外観をつくり出すことに力を入れています。
「ボリューム感のあるキューブ状の外壁材を組み合わせ、ダイナミックなフォルムを創造。美しさと機能性を兼ね備えたモダニズムデザインを追求」(ヘーベルハウス)
「60年という高耐久性を誇る、美しい外壁材『キラテックタイル』を採用。フラッグシップとなる住宅商品『カサートプレミアム』では、上質感と量感のあるアクセントウォールや安定感のある水平ラインにより、邸宅と呼ぶにふさわしい外観を実現」(パナソニックホームズ)
また、「建物が完成したあとの残った敷地で庭をつくるのではなく、初めから建物と庭を含めて計画することで、敷地のポテンシャルや街並みに調和したデザインを引き出します」(積水ハウス)という回答のように、トータルデザインにも注力しています。
内装材のトレンドを押さえつつ多様なニーズに応え、さらにその上を目指し、各社でさまざまな対応を。
たとえば「一邸につき1名のインテリア設計者が担当し、内装建材をはじめ、家具やカーテン・照明など、好みに合ったスタイルをトータルで提案」(パナソニックホームズ)や、「健康、安全、使いやすさ、お手入れに配慮した『ロングライフインテリア』を提供。WOODY MODERN、CAFÉ MIXといった9つのスタイルから選択可能」(ヘーベルハウス)などの回答が。