増え続ける本や雑誌に、捨てどきがわからないままたまっている書類…。場所を取るうえ、肝心のときに見つからないという悩みを抱える人も多いのでは。

「最近は電子書籍にして管理する方法があります。意外と簡単ですよ」と語るのは、片づけサポート事業も行う、ライフオーガナイザーの森下純子さん。詳しく教えてもらいました。

タブレット
本や書類を電子書籍化すれば、空間がすっきりします
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本や書類をデータ化すれば、収納場所がすっきり。読み上げ機能も利用できる

片づけサポートをしていると、「スペースがなく、本が納戸に山積みでどうしていいかわからないんです!」という悩みをよく伺います。

本は本棚に置いておく、書類はファイリングしておくというのが本当はいちばんラクなのですが、数が増えるとスペースがなくなり、必要なものが探しにくくなります。

そんな本や書類の片づけ問題の解決法のひとつが、「データ化してしまう」こと。
スマートフォンやタブレットで楽しめるようになります。

●電子書籍化する最大の利点は、収納場所をとらないこと

まず、本や書類をデータ化すると、こんなメリットがあります。
・収納場所を取らない
・外出先に持ち運べていつでも読める
・必要なときはプリントアウトできる
・必要な情報を「検索」して呼び出せる

逆にデメリットも。
・本を裁断する必要があり、バラバラになってしまう
・スキャン後の本や書類を処分する必要がある

本を裁断せずに1ページずつスキャンする方法もありますが、何百ページもある本を1ページずつめくってスキャンする手間を考えると、やはりここは裁断を考えた方がよいでしょう。

必要なものは3つあります。
(1)裁断機
(2)スキャナー
(3)データの保存場所

電子化の手順を詳しく説明していきましょう。

●(1)裁断機で本をバラバラにする!

裁断機

まず最初に本の表紙を外し、裁断機でバラバラにします。ハードカバーの本も背表紙と表紙を外すと、意外と簡単に分解できます。

●(2)スキャナーを使って一気にデータ化!

スキャン

スキャナーを使ってデータ化します。スキャナーは少し値段がはりますが、1台持っていると、名刺の管理や資料の保存など、日々の書類のデータ化に重宝。

OCR機能(画像から文字を判別して抜き出し、テキスト化すること)のあるソフトを使えば、パソコンやスマホで検索や読み上げ機能を利用できます。

●(3)データの保存先を確保する!

ファイル保存サービスはいろいろありますが、私はパソコンやスマホから操作できる「Dropbox」を使っています。データ保管容量が多くて便利です(2GBまで無料)。

スキャンしたデータは、アプリを使って紙をめくるようにページ送りができるので、まるで本を読んでいるような感覚で読むことができます。

●電子書籍化したら、読まずに「聞く」という読書ができる

電子書籍化したら、外出先でも読めるのでとても便利。
最近のスマホには「読み上げ機能」があるので、テキスト認識できるスキャナーで電子書籍化すれば、本を「聞く」という読書方法が可能です。
本を読む時間がない、書類を確認したいけど見ている時間がない、という方におすすめ。

iPhoneなら「設定」アプリ→「一般」→「アクセシビリティ」→「スピーチ」の順にタップし「画面の読み上げ」をオンにすることで、読み上げ機能が使えます。

スマホ

読み上げる声を女性・男性の中から選べ、読み上げ速度も調整できるので、ちょっと早口速度に設定するととても聞きやすくなり、イヤホンをしてベッドの中や電車で、目を閉じているのに読書! なんてことも楽しめちゃいます。

Androidも同様にテキスト読み上げ機能が備わっています。

電子書籍化で本や書類をスリム化してみると、空間もすっきりしますのでお試しください。

※書籍データをインターネットなどで不特定多数に公開すること、また書籍データをコピーして他人と共有したりすることは著作権侵害となり、違法です。データの取り扱いにはご注意ください。

※自分でデータ化せず、「スキャン代行サービス」などに頼むことは、著作権者の許諾がない限り違法です。