愛犬・ぽっけちゃんとともに、愛知県名古屋市名東区のマンションに住むYさん夫妻。マンション探しを始めたのは結婚がきっかけでしたが、新築は好みに合わず、中古は外観や設備の古さが気になり、物件探しは難航したそうです。ようやく見つけたのは専有面積72.49平米、平成24年築という築浅で状態のよいマンション。名古屋で人気のリノベーション会社・エイトデザインに依頼して、夫妻の好みである「インダストリアル、ブルックリン、ロンドンのパブの3つを足した感じ」にリノベーションしました。リノベーションを担当したのは、思うような物件が見つからないときに出会い、家探しの相談などもするうちに意気投合したというエイトデザインの丹羽健太さんです。

目次:

ファイナンシャルプランを作成して納得の予算に工事費650万円の理由は“間取り”と“既存”にあり!

ファイナンシャルプランを作成して納得の予算に

LDK
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当初、Yさん夫婦が考えていた総予算は、物件と工事費込みで3,500万円ほどでした。しかし、エイトデザインの丹羽さんからは「無理して家を買うより、その後の生活を楽しく過ごすことの方が大切」とファイナンシャルプランの作成を勧められたそう。
「今だけでなく、その後のお金の使い方まで考えることができてよかったです」と夫妻。マンションは2,700万円で購入できたので、650万円(税・設計料込み)をリノベの予算としました。

リノベ前のLDK

リノベ前のLDK

リノベ後のLDK

リノベ後のLDK

リノベで最も力を入れたのはLDKです。本物のレンガの厚みを半分にして貼った、ブリックタイルの壁が目を引きます。本物ならではの風合いが、ロンドンのパブのような雰囲気を醸し出します。

レンガの壁

レンガの壁の上部に設けた滑り出し窓は、隣接するWICに光と風を届けるためのものです。夫がネットオークションで格安で手に入れた和建具に、鉄粉入りの塗装を施して造作しました。

リビング

アンティーク材を使ったヘリンボーンに見える床は、実はビニールタイル。愛犬が走り回っても滑りにくいように取り入れたものです。オープン棚は足場板を長ネジでつないで造作しました。テレビとテレビ台を置く位置などにも配慮して、バランスよく設置されています。

棚のディスプレイ

棚の上に飾られた小物にも、Yさん夫妻のセンスのよさがうかがえますね。

工事費650万円の理由は“間取り”と“既存”にあり!

間取りで大きく変更したのは、リビングの隣にあった和室をWICにした点です。

WIC

ふたりとも洋服が大好きなので、ゆとりのあるWICは必須でした。壁の一部を抜くことで、奥の寝室との行き来をしやすくしてあります。リノベ工事費が650万円に抑えられたのは、WIC以外で大きな間取り変更をしていないのが理由のひとつです。2つの洋室にも手をつけず、コストを抑えました。
さらに、水回りはなるべく既存を利用しています。築浅の物件と巡り合えたおかげですね。

キッチン

既存を利用したとはいえ、どの空間からもYさん夫妻らしさがにじみ出ています。キッチン扉は塗装し、カウンターの腰壁には鉄板を張って大きめのボルトで留めてイメージを一新しました。

吊り戸棚

キッチン上部にはラフな質感の足場板で吊り戸棚を造作しました。アイアンバーとワイングラスを吊る金物は施主支給品です。

リノベ前の廊下

リノベ前の廊下

リノベ後の廊下

各居室の建具も既存を塗装して再利用しています。トイレの建具だけは黒板塗装を施して、アクセントにしました。

玄関は床をモルタルで仕上げ、収納の扉を塗装しただけですが、印象は大きく変わりました。洗面化粧台は機能的で使いやすかったため、既存のままです。ユニットバスは表面を削ってコーティングを施し、新品同様に生まれ変わりました。

トイレ

トイレは取り換えましたが、なんと夫の知人から「引っ越し祝いに」と贈られたものだとか。

サイン

LDKのドアは造作しました。ガラス面にはリノベーション完成を記念して、夫妻が大切にしているもの、をテーマにしたサインが入っています。取材は第一子が誕生する前に行われました。今はいっそう賑やかで、楽しい空間になっていることでしょう。

設計・施工/エイトデザイン
撮影/田部雅生
※情報は「リライフプラスvol.27」取材時のものです