――自宅運動をやるとき、女性ではヨガをおこなう方も多いように思います。こうした負荷の少ないトレーニングも、30分の運動時間に含んでいいのでしょうか?

中野さん

:ヨガは気持ちのコントロールを目的に行うならとてもいいのですが、筋肉をつける目的でやるなら最適な方法ではありません。勉強に置き換えて考えてほしいのですが、頭がよくなりたいといっても、読解力を上げたいのか計算力を高めたいのかで取り組む科目は異なりますよね。体も同じで、筋肉をつけたいなら筋トレがいちばんだし、精神的なコントロールならヨガといったように使い分けることがベストです。

●運動は食後30分以内がおすすめ

ゲームで体を鍛える女性
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――運動を行う時間について、ダイエット目的は空腹時がいいとか、夕方や午前がいいとか、取り組む時間についてもさまざまなことが言われています。最適な運動の取り組み時間についても教えてください。

中野さん

:時間は自分が続けやすい時間であれば、いつでもいいと思います。ただもう一歩踏み込んで目的を意識して時間を決めたいのであれば、今体についている脂肪を落とすなら空腹時、食べた糖の消費を目的にするなら食後30分程度と覚えておいてください。

食後30分程度で食べたものがブドウ糖となり、血中は高血糖になっています。このタイミングで糖を消費しきってしまえば、理論上私たちは食べても太りません。よく食後の運動は横っ腹が痛くなるといった話がありますが、先程ご紹介した家でできるレベルの運動では、おそらく大丈夫です。痛くなるようでしたらご自身の体に負荷がかかりすぎている証拠ですから、運動レベルを下げて行ってください。

一方で、空腹時の運動では、体にすでについた体脂肪から消費されやすい傾向があります。今ある内臓脂肪に困っている方は、空腹時の運動でもいいかもしれません。

――運動習慣というと、外へ出て汗をかいたり、長時間動き回ったりすることが運動と思われがちです。しかし自宅で行う運動もきちんとした効果は実感できますし、小さなスタートを効率的にきることから始めることが、習慣化を身に着け、確実な変化につながりそうですね。