お金の使い方を習ったことがある。そんな経験をした人は少ないのではないでしょうか。現実にも、お金の使い方は人それぞれ。人の数だけ、使い方があると言えそうですが、じつは貯める人には一定の傾向が見られるそう。

つまり、効率的に貯めたいのならば、貯める人のお金の使い方を真似することが近道になるのです。ベストセラー『お金が貯まるのは、どっち!?』の著者で、銀行支店長として数多くのお金持ちの習慣を見てきた菅井敏之さんに、お金が貯まる人の家計管理や金銭感覚を教えてもらいました。

「貯まる人」のお金の使い方を真似しよう!

夫婦の家計管理の分担から、子どもに資産状況を教えるかどうかまで、家庭内での「お金の話」はどのように決めればよいのでしょうか?

●財布のひもは夫が握るor妻が握る どっち?

正解:夫婦とも家計の現状を知っていれば、どちらが握ってもOK

財布のひもは夫が握るVS妻が握る
財布のひもは夫が握るVS妻が握る
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結論からいうと、どちらが握ってもOK。ただし、2人とも家計の現状を知っているのが前提です。もっとも怖いのは、「夫にすべてまかせて生活費だけもらって暮らしていたら、まったく貯蓄がなかった」「夫婦共働きでお互い貯めていると思っていたら、両方とも貯めていなかった」といったパターン。「じつはよくあることなので、注意が必要です。お互いすべてオープンにするのが難しければ、貯蓄額だけでも月1回確認し合う習慣をつけましょう」。

●レジャーは週末ごとに商業施設or年1回の家族旅行 どっち?

正解:どっちつかずは最悪。価値観を明確にして、お金の使い方を決める

本当は家族で旅行に行きたいのに、ショッピングモールでムダづかいして貯蓄ができないのでは本末転倒。「旅行が大事なら、『ショッピングモールは月1回にする』などとメリハリをつけたお金の使い方が貯まる習慣をつくります。

もちろん、毎週末モールに行く方が年1回の旅行より楽しいなら、それはそれでありです。自分の価値観を明確にしましょう」。

●夫のこづかいは毎月定額を渡すor必要なときに渡す どっち?

正解:大事なのは渡し方より、出せる額を決めること。夫婦で話し合いを

お互いに納得して決めれば、どちらでもOK。まずは、家計からこづかいに回せる額を夫婦で話し合いましょう。「夫の要求額が出せない場合は、家計の現状を見せて出せない理由を説明すれば夫も納得します。それでも、夫が主張した場合は、『じゃあ、クルマを手放す?』『晩酌を減らす?』などと代替案を出して説得を」。

●学用品はこづかいで買わせるorその都度渡す どっち?

正解:自分で買わせて、お金の管理の基本と経費のことを学ばせる

「なににどれくらいかかるか」を知ることはお金の管理の基本。子どもに自分で買わせるのがおすすめです。また、学用品は会社でいえば“経費”。自分で買うことで、生きていくには「経費がかかる」と身をもって知ることにもつながります。あらかじめ費用の見当をつけ、こづかいに上乗せして手渡しておくといいでしょう。

●親から借金をするorしない どっち?

正解:借りられるなら親に。ライフプランをつくって、家族の未来を提示して

金利がかかる銀行で借りるなら、親に援助を求めるのもひとつの方法。でも、いきなり「貸して」では親は納得しません。「ライフプラン表をつくって親も含めた家族全員の今後のイベントを想定し、収入と支出を書き出して見せましょう。将来を真剣に考えていることが親に伝わり、借金にも快く応じてくれるかもしれません」。

●資産状況は子どもに伝えるor伝えない どっち?

正解:子どもが大人になったら、定期的に資産の状況を伝えてリスクを軽減

定期的に資産の状況を伝えてリスクを軽減
定期的に資産の状況を伝えてリスクを軽減

親の経済状況を知らないまま、親が急に倒れたら、治療や介護にいくらお金がかけられるのか子どもは見当がつきません。また、親が亡くなって急に借金があるとわかったら、子どもの生活が破綻するリスクも。遺産がたくさんあっても生前に親が意思を伝えていなかったばかりに、子ども同士の相続争いが起こることも。「経済状況をオープンにしておくことが、家族の資産を守るカギです」。