多くの方に愛されるレシピを発信している、笠原将弘さんと長谷川あかりさんがスペシャル対談! 料理の原点や仕事との向き合い方、これから挑戦したいことを語っていただきました。また、長谷川さん考案の、ビールとの相性がたまらない「豚とレンコンのから揚げ」レシピも紹介します。

キッチンで料理する女性とのぞき込む男性
生活情報誌『ESSE』45周年記念! 笠原さん×長谷川さんの料理対談&レシピをご紹介
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レシピが心に栄養を与えてくれた

フライパンで調理する手元

笠原将弘さん(以下、笠原):長谷川さんの料理を見ていて印象的だったのが、料理の所作がきれいで、手際がいいところ。それから、レシピについても、洗い物や手間を少なくする工夫がしっかり考えられていますよね。

長谷川あかりさん(以下、長谷川):もともと子役をやっていたのですが、レギュラー番組を卒業したあと、オーディションに全然受からなくなって。「もう必要とされていないんだ」とメンタルが落ちていたときに自分を救ってくれたのがレシピ本だったんです。つくって食べる、食べてもらう、を繰り返していくうちに、久しぶりに、人から必要とされているかもしれないと思えるようになって。レシピは、嫌いな作業は省いて「私って天才かも?」と思える工程を残すようにしています。

笠原:人から喜んでもらえるのは大きいですよね。子どもの頃、祖父母からオーブンレンジをもらって、自分の部屋に置いていたんです。最初はジャガイモをチンするぐらいでしたが、あるとき「ケーキを焼いてみたい」と思って、練習を重ねて。友達や、父の店の常
連のお客さんの誕生日にあげるとすごく喜ばれたのを覚えています。それで、たびたびケーキを贈るようになった。常連さんが小づかいをくれるのに味を占めたのもあるけど(笑)。その経験も、今につながっている気がします。

次がなくても「合わなかった」の気持ちで

キッチンで料理を食べる男性と女性

── ESSEがこのたび45周年を迎えまして。おふたりとESSEの思い出を教えてください。

笠原:修業時代に『郁恵・井森のお料理BAN! BAN!』を観ていました。ESSEにも載っていましたよね。ずっとテレビや雑誌の料理コーナーに出てみたいと思っていたので、初めて掲載されたときは、すごくうれしかったです。そのあと、こんなに長く続くとは思いませんでしたが。

長谷川:私は、雑誌は料理家にとって大切な活躍の場だと思っているんです。生活情報誌で、レシピもたくさん紹介されている、歴史ある雑誌にまさか自分が載るようになるとは想像していなくて。最初に呼んでいただいたときは、次も声がかかるか不安で、3回ぐらい出られて、ようやく大丈夫だって思えた気がします。

笠原:弱気になっちゃだめですよ。次がなくても「合わなかったんだな」ぐらいの気持ちで(笑)。僕も、店名どおり「賛否両論」あって当たり前と思っています。そうじゃないと自分のカラーがなくなっちゃうから。

おいしくてつくりやすいレシピのさらに先へ

キッチンで料理を楽しむ男性と女性

── 今後さらに挑戦してみたいことはありますか?

長谷川:海外、とくにアメリカに行くと、アジア諸地域の家庭料理のお店を見かけるんですが、日本食は、すし、ラーメン、天ぷら…などは人気があっても、普通の家庭料理はあまり知られていない印象で。ヘルシーな日本の家庭料理を知ってもらうにはどうしたらいいんだろうと考えてるので、いつか海外へ紹介することに挑戦してみたいです。

笠原:ここ最近、日本各地の郷土料理にはまっているんです。この土地でなんでこの料理を食べてきたのか、とか歴史を調べてみたり。その地域の人しか知らなかったようなものを、家庭料理に落とし込んで広めたりしたいですね。もうひとつは、江戸時代の料理。池波正太郎さんの作品などで描かれるものがおいしそうで、自分なりにアレンジしたらおもしろいかなと。

長谷川:笠原さんはずっと第一線にいらっしゃいますが、新しい挑戦を続けられる秘訣はなんでしょうか?

笠原:忙しいのが体に合っているんでしょうね。地方への出張や、移動時間に本を読むのが息抜きになっています。仕事をすることでテンションが上がり、休めないから風邪もひかないし、病気にもならない。休みはほぼないですが、暇な方がかえって体調をくずしてしまうんです。

長谷川:料理家の先輩も、健康管理について伺うと、皆さん口をそろえて「風邪をひかない」とおっしゃいます。

笠原:なにより料理が息抜きになりますからね。仕事がいやになっても、料理をするのがいやになったことはない。料理は娯楽性が高い活動だから、読者の皆さんにも楽しんでもらえたらうれしいですね。